英数の影に隠れ、ともすれば副教科扱いになりがちな理科ですが、ここ数年の公立高校入試における理科の難しさはよく知られているところ。一方、定期テストでは大して難しくないのでササッと暗記して終わり、という子も多いことでしょう。入試に向けてキチンと対処した生徒とそうでない生徒で大差がついてしまうこの科目、冬期講習会で正しい解法と準備の仕方を学びます。
目次
中3理科のねらい
考察力を磨く
神奈川県のみならず、全国の公立高校入試問題はおおむね同じ傾向です。
それは「考察」です。
知識をそのまま問う問題ではなく、知識をベースに考え、判断することが要求される。これが現代入試です。
冬期講習で行う入試対策では、これまでの通常授業や復習講座で培ってきた知識の使い方を学びます。問題文の読み方、資料の活かし方、実験の捉え方など、独学では取得するのが難しいスキルをマスターするのが目標です。
簡単な問題をいくら解いても、このようなスキルは要求されません。最新の入試問題を用い、新鮮な題材を生かした実戦的な演習を通じて、入試攻略に必要な技術を身につけます。
知識があるのは大前提
多くの受験生が過去問を演習すると思います。その難しさに触れ、自ずと考え方を磨いていく意識を持つようになるでしょう。ところが、何かを考えるためにはそれに関する知識が必要です。理科の基礎的な知識が無いままいくら考えても、正しい結論は導けません。
昨年度の入試は、それまでより考えやすい問題が増えました。それでも得点を伸ばせなかった子は、難問だけに目が行きすぎて、受験生全体が知識の吸収をおろそかにしていたのかもしれません。むしろ、入試が簡単だった一昔前の方が、知識量だけなら多かった可能性があります。
難易度の高い問題に触れるのと併行して、徹底した知識定着の学習も行う必要があります。入試対策テキストの基礎問題を繰り返し演習することで、必要な知識をもれなく身につけることを目指します。
差のつく計算問題を狙う
入試における計算問題の正解率は、20~40%程度。すなわち、正解者の多くが上位校受験生です。計算問題での得点が上位層で合否を分けるポイントになっています。
理科の計算といえば、公式を暗記と思われがちですが、入試問題は覚えて解ける問題ではありません。とはいえ、公式一発で解けないだけで、必要に応じて公式を用いて行けば、解答にたどり着けるようになっています。公式の本質を理解することで、適材適所での使い方が出来るようになるのです。
冬期講習会では、複雑そうに見える問題を整理し、実は典型的な解法が使えるという事を見抜く訓練をします。そのための問題の読み方、情報の読み取り方をアドバイスし、その後計算を正確に処理する技術を学びます。
中2理科のねらい
中2理科は定期テストのために予習を進めます。各中学校で学習している内容は千差万別、もちろん各教室で学習している部分もバラバラですが、共通しているのはこの時期がちょうど「計算処理が必要な分野」であるということです。冬期講習会は通常授業より時間的な余裕があるため、手間のかかる計算問題を中心に攻略をしていきます。
基礎知識の定着確認
授業を受け、宿題をやるだけで全ての知識が定着することはありません。それはどんな素晴らしい授業でも同じです。かといって間違えた問題の答えを赤ペンで写すだけでは暗記できるはずも無く、結果的に「テスト直前で全て覚え直し」という事態に陥ります。
当学院では、宿題で間違えた問題について自分で調べ直し、まとめる取り組みをしています。用語を覚えるのではなく、用語を意味と共に覚えるという正しい学習方法で基礎知識の定着を図ります。
知識が定着しているか確認テストでチェックをします。最終目標は定期テストで高得点を取ること。そのためのスモールステップとして、確認テストで満点を取れるように学習してくることを習慣化させます。更に、出来るまで何度でもトライする追試システムにより、妥協の無い学習を行います。
計算問題の攻略
短期間で集中的に授業を行う講習会は、特定の分野をより深める学習にうってつけです。中2理科は計算処理の要素が欠かせません。つまづきやすい計算問題を重点的にピックアップし、得点源になるまで充分に理解・反復します。
来年の入試においても上位校合格の鍵になるのは計算問題です。定期テストレベルのベースを固め、発展的な入試問題への礎を築きます。
まとめ
入試まで待ったなしの中学3年生はもちろん、中学2年生も入試に使われる成績がつく、大事な時期です。入試において理科が大差のつく科目になっているのは、中2のときの定着不足が原因の一端でしょう。
特に計算問題はハナから諦めてしまっている生徒が多いのも事実です。正解しているのが上位の生徒に集中している分野ですが、裏を返せば出来るようになれば上位が狙えるという事です。冬期講習会の理科授業を上手く消化して、難問への手がかりをつかんでもらえたらと考えています。
理科は覚えたら終わりではありません。
暗記してからがスタートです。
その知識を考えるために使い、計算するために使う。
このような理科の本質を問われるのが現代の入試問題であり、理科指導部はその攻略を目標に生徒たちを指導していきます。
この記事を書いた人
- 指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
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