その◯危険

こんばんは、山田です。
今回のテーマは、『小学生の通信簿』です。

これまで2度ほど、中学生の通知表(内申)について書かせていただきました。
実は、それ以上に問題があると思われるのが、今回テーマとした小学生の通信簿です。
『その◯危険』
これが結論、言いたいことです。
その◯とは、通信簿につけられている◎◯△の『◯』のことです。

4と2の差は天地の差

少し先のことになりますが、小学校、中学校、高校、そして大学とつながっておりますので、先ずは高校入試に関係する中学の内申の話をします。

中学の内申は、基本的に5~1の五段階評価です。
この場合、5が最も良い、1が最も悪いです。

各学区の二番手高校、内申の合格者平均は108程度、つまり『オール4』程度です。
神奈川県下ワースト5の学校になると、内申の合格者平均は66程度です。
66、これは4つの教科が3で5つの教科が2ということになります。
*公立高校の入試では、中2後期の内申と中3の11月の内申を135点満点に換算して使いますので、108や66という数値は、その変換された数値です。

つまり、雑に言うと『オール2』では、神奈川県内の公立高校、どこにも合格できないということになります。
もちろん、この数値は合格者平均なので、得点力があり当日のテストで高得点が取れれば合格はできます。
しかし、オール2がどれだけの状況なのかは、お分かりいただけると思います。

とりあえず、4と2が『天と地ほどの差』があるのだということだけ心にとめて、この後をお読み下さい。

△って×のことです

小学生の通信簿は、◎○△で成績がつけられています。
これ、もはや存在意義があるのかどうか分からないと思っています。

そのほとんどが◯です。
△などつける際には、職員会議まで開き「ほんとに△なんてつけてもいいのか」などと話し合いをしたりすることもあるそうです。
しかし、その様な過程を経てつけられた△ですが、その△を見て保護者はそこまで重大とは感じません。

そう、×でないからです。
×なんて存在しないので、この場合は最低を意味する△なのですが、どういう訳かそこまでの危機感を持たないのがほとんどです。
職員会議まで開いてようやくつけられる△、ハッキリ言って深刻です。
△じゃなく×です。

◯の真実

では、どの程度深刻なのか、それは、神奈川県の公立高校には入学できない可能性が極めて高いというレベルです。

◯の話をすれば、その事実が分かるでしょう。
『そのほとんどが◯』と上記しましたが、この◯の中には、中学になり五段階評価になると4がつく生徒と2がつく生徒、これが同居しています。

自分の子供が『オール◯』だったとしましょう。
その通信簿を見てどう感じるか。
超良いとは思わないでしょうが、『普通』もしくは『普通以上』と思うのではないでしょうか。
まあ、感じ方は人それぞれなので、1つも◎がないなと発破をかける親もいるかもしれません。
ただ、『悪い』そう感じる方はいないのではと思います。

しかしどうでしょう、五段階評価に変わり『オール2』と表記されていたら。
オール2でなくともいいです。
2と3しかない内申だったらどうでしょう。
ほとんどの親は、『悪い』と認識して大きな危機感を持つと思います。

オール4、学区の二番手校というと、この辺では西湘や大磯、伊志田といった高校です。
それらの学校に合格できる生徒と、どの公立高校にも入学できないような生徒が、『同じ◯』と評価されているのです。
そんな◯、意味ありますか?

△、もちろん1でしょう。
1を見て危機感を持たない親はいないはずです。
しかし、△を見ても何故か重い腰が上がらない。

必要だからこその義務教育ですよね?

『包み隠す』
現在の小学生の通信簿に対して、この言葉しか出てこない。

せめて、隠すなら隠しきれと言いたくなります。
それは、その後の中学でのギャップです。
小学校時代にさんざん隠し続け、中学になった途端に現実を突き付ける。

突然現実を見せられても、そう簡単には認めない。
『こんなはずではない』『次は』『今回は◯○だったから』と根拠の無い期待をする。

小学校の6年間、そして中学になり『これはマズイ』と認めるまでの期間、これだけの時間を無駄にしてきて、いや無駄にさせてきて、何が教育だと言いたくなる。
できない者にできないと言う、そう認識させる、その勇気を持ってほしい。

できないからと突き放すのではない。
そう認識させなければ、改善させたいと思わないからだ。
認識し、改善させたいと思うからこそ、同じ方向を向いて協力して進めるのだ。

いったい何のための6年間、何のための義務教育なのか。
最低限の教育が必要だからと義務教育にしたはずだ、にもかかわらず『在籍中は何事も無かれ』と言わんばかりのこの体質、意味が分からない。

落とし穴に落ちないように

その◯危険、正しくはその◯危険かもしれません。
その◯が、後に4となる◯なのか、2となる◯なのか、知っておく必要があると思います。

では、そのチェックはどうすればいいのか。
1週間程前、富田がブログで『もしかしたら小学生こそ模試が役立つかもしれない』という記事を書きました。
私も同意見です。
『お金がかかるじゃないか』
そう言われる方は、せめて学校でやった単元テスト、これを3ヶ月後にやらせてみて下さい。
数ヶ月後にそれを覚えているかどうかが実力です。
学習直後にやったテストなんて、できて当然です。
もはやその時点で80点を取れていなければ、それは『できない』です。

◯は『良い』とか『普通』、△は『まずまず』とか『もう一歩』、そう思い込んでいると、小学生の通信簿にある落とし穴に落ちてしまうかもしれません。
そうなる前に、ぜひ正しいチェックをしてみて下さい。

この記事を書いた人

山田 明史