こんにちはこんばんは、富田です。
1年前に、中3数学の学習ネタでこんな記事を書きました。
もちろんノートにゴリゴリ問題を解くのがスタンダードなんですが、それでも限界があるんです。更に力を伸ばす方法を色々模索しているわけです。
前回書いた単語帳を使った計算練習は、テストのような実戦に強くなる方法です。問題をミックスした状態での演習をしているかどうかで大分実戦での計算力が変わりますからね。
そして今回紹介する方法は、実際に私が授業中にやっていることです。
目次
計算を音読で暗算する
数学なのに音読?と思うかもしれません。簡単に説明しましょう。
やることは実に単純で、 計算をして答えをノートに書く代わりに口に出して言うだけ です。あら簡単。
具体的には、(x-4)(x+6)という展開の問題を見ながら、口頭で「エックス2乗プラス2エックスマイナス24」と読み上げます。
先ほど書きましたが、私が授業中にやっていてふと気がついたんです。「おや、これは相当力がつくんじゃないか?」と。
私は計算の修行をしているわけではありません。生徒が問題を解いたあとに答え合わせをするとき、答えを言っているだけ。これを解答を読み上げるわけではなく、白紙の問題を見ながら答えをどんどん言っていくのです。何が難しいって、生徒は集中して答えを聞き取って採点をしようと身構えているわけですから、まるで解答を読み上げているかのごとくよどみなくスラスラと言えなければいけません。
正直普通に答えを読み上げれば良いだけなのですが、自分自身の計算力の衰えを防ぐための練習になるのが理由の1つ。もう1つの理由は答えを冊子をわざわざ開くのが面倒なだけです。
計算を音読するメリット
さて、この計算の音読によるメリットをあげてみましょう。
脳に対する負担が高い
やってみると分かりますが、ノートに解くよりはるかに難しい。問題を目で見て計算して答えをアウトプットするのはノートに解こうが音読しようが変わらないはずですが、計算しながら答えを言っていく方が、計算しながら答えをメモしていかれるノートよりも脳に負担がかかります。
そもそも暗算は、計算した結果を瞬間的に頭の中にストックしておかなければいけない分余計に頭を使います。言い換えれば、筆算しかしない子よりはるかに頭が鍛えられるということ。暗算を適材適所で使える子は数学が伸びやすいですからね。
さらにそれを口に出さなければいけないので、余計に頭を使うわけです。
先を計算する習慣が付く
中3の展開の計算、特に公式を使った計算問題は、いかに速く、ミス無く解くかが重要です。そのためには普通に計算練習を繰り返しているだけではダメ。キチンと速く解く練習をしなければいけません。問題を見た瞬間に公式を判断し、次の瞬間には答えを書き始めるレベルです。
このとき、速く解ける子は手元の答えを書いていると同時に次の計算を頭の片隅でやっています。計算してから答えを書くのではなく、答えを書きながら計算します。
これを更に高い次元でやるのが計算の音読です。よどみなく読むあげるためには、常に先を先を計算して行く必要があります。これが出来るならば、答えを紙に書いて良い状況なら楽勝です。
言うなれば、筆算と暗算の違いくらいありますからね。
計算を音読するデメリット
聞き手が必要
唯一にして最大の欠点、それは答え合わせが一人では出来ない事です。
何しろ音ですから、言ったあとで答え合わせは出来ません。言いながら答えを見るわけにもいきません。それって答え読んでるだけですし。
答えを聞いてくれて、○か×かを判断してくれる協力者が必ず必要なのです。
もちろん生徒なら私が聞きますけどね。家でやるなら家族の協力が必要です。しかし、そんな事に付き合ってくれる親御さんがいるでしょうか。ましてや、きょうだいだったらもっと無理っぽい。
ここまではアナログな発想ですが、実際にはデジタル機器に頼ればOKです。スマホには音声の録音機能がありますから、自分が計算の答えを言っているのを録音し、再生しながら解答と照らし合わせれば良いのです。聞き慣れない自分の声に赤面しつつ答え合わせが可能です。
まとめ
実際のところ、自分の生徒にやらせるときは私が聞き手になるので問題ありませんが、これを読んだ人が「よし!やってみよう!」とはなりませんよね。色々面倒ですし。
これが勉強法の落とし穴なのです。色々と世の中に勉強法の記事はありますし、バカ売れしている書籍だってあります。しかし、それを読んで自分で実践してみようという行動を起こす人が余りに少ない。
だから伸びないんです。
同時に、色々な勉強法を出し惜しみせずにどんどん公開している理由でもあります。どうせマネをする子なんてほとんどいないだろう、と思っていますからね。
でも中にはいるんですよね。一念発起してやっちゃう子が。
化ける子ってのはそういう行動を出来る子なんだと思います。やるかどうかは、アナタ次第ということで。
あ、私が指導してる生徒にはやらせます。念のため。
この記事を書いた人
- 指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
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