中学の時は、塾に通い一生懸命勉強に励んだものの、高校に入るとやめてしまう生徒が多いですがどうしてでしょうか?学校での学習内容は中学に比べ一段と難しくなります。それでも、保護者は塾に通わせようとしません。はたして、これでいいのでしょうか。

変わる大学入試制度・推薦入試・AO入試が主流

いろいろなところで話題として取り上げられていますが、大学入試の制度は大きく変わってきています。

一番大切なのは、その募集方法ですが、これには三つあります。

1つ目は推薦入試です。大学の募集定員の50%まで、推薦入試の制度を利用することが大学に許されています。

2つ目はAO入試です。こちらは、入学テストのある一般入試に分類されますが、高校時代に特技などを生かした活動をした学生を募集するものです。例えば野球。選抜高校野球で活躍してきたような生徒は、このAO入試を利用すると、入学が認められることになります。

3つ目が一般入試です。いわゆる入学試験(ペーパーテスト)を受けてその成績によって入学が決まる制度です。以前はこの一般入試が大学入試定員の90%以上の受験に利用されていましたから、それこそ、高校に授業は寝ていようが、成績が悪かろうが、入試の得点さえ取れれば合格できたのです。しかし、現在の入試制度では、一般入試は20%~40%の募集にしか利用されていません。

いまや、大学入試の主流は推薦入試・AO入試です。

だとするならば、大学進学にとって一番大切なことは何でしょうか?

推薦入試の選抜方法

推薦入試・AO入試で使われるのは高校の成績です。各学年とも、一年間の全科目の成績合計の平均を出し、それを学年の成績として利用します。

高校で 1・2の成績がつくと1 3・4の成績がつくと2 5・6の成績がつくと3 7・8の成績がつくと4 9・10の成績がつくと5という成績が学年で使う成績となります。

これを全科目で合計し平均を出したものが学年の成績です。これを3年間にわたって足し込み、3年間の平均を求めその数字を推薦入試の基準として利用します。

一般的に言うと、 学年の成績が 3.5以上で一般推薦 4.0以上で学校推薦が受けられます。

学校推薦は各学校に与えられる推薦枠で、学内の選考により誰に推薦枠が与えられるか決まります。同じ学校学部を希望する生徒が何人かいる場合、成績上位者に枠が与えられることになります。

一般推薦は大学側に推薦希望を出し、推薦入試を受ける形ですが、こちらは学内の推薦と違って、全国規模の募集となります。また、倍率も3倍から10倍になります。人気のある学校学部では20倍を超えることもあります。

一番大切なのは高1の成績

この時に忘れてはいけないのは、高校1年の時が一番履修する科目数が多いということです。高2高3と進むにつれて、履修する科目は専門化され、少なくなります。

言い換えると高1の時にきちんと成績を確保しておかないと、推薦入試を受けられなくなってしまうということです。

定員の50%までを占める推薦入試を受けられないということは、大学入試の受験機会は半分に減ってしまうことになります。

高校生になったから、自分で勉強しなさい!は危険

中学生の時に学習塾に通い、学習内容のポイント等を教わっていたのに、高校で益々難しくなる内容を自分ひとりで出来るでしょうか。90%の生徒が「ノー」だと思います。

高校生になると親に成績やテストの結果を見せない生徒が増えてきます。保護者が成績の状況を知ることが難しくなってきます。

「偏差値の高い学校に通っているのだから、大学進学が決まったようなものだ。」と思っていると、専門学校にすら入れない場合も出てきます。

一つの学校の中で 1番から約300番(ビリ)までの成績がつくからです。

週一回の通塾でも3年続けると大きな成果につながる

当学院の生徒を例に取ると、3年間きちんと通塾している生徒の90%は推薦入試での合格を決めています。たった週一回2時間程度ですが、これだけでも大きな成果を得られているのが現状です。決して偏差値レベルの高い学校に通っている学生ばかりではありません。いわゆる底辺校からも続々と推薦での合格者を出しています。

自分の時代の大学入試ではない イメージを捨て去るべき

保護者は自分達の頃の大学入試の感覚を捨て、新しい入試制度を知る必要があります。

また、生徒は、自分で何とかなる という幻想を捨て、きちんと毎日勉強することが、大学進学に求められています。

 

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ecole-tanaka
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