2020年度から私立高校に対する国の補助が強化されるニュースはもうご存知でしょうか。

2020年4月からの「私立高等学校の授業料の実質無償化」リーフレット(令和元年5月)

この2020年のリーフレットに書いてある「基準を所得割額から課税所得に変更します」という部分に注目したいと思います。

「所得割額」と「課税所得」って一体何が違うの?どこで確認できるの?
私立高校無償化の恩恵を受けるためには知っておかなければならない、この2つのキーワードをわかりやすく説明していきたいと思います。

学費支援制度との関連性

詳しく掘り下げる前に、「所得割額」「課税所得」が私立高校無償化とどう関係しているかについて神奈川県を例に挙げて説明しておきます。

2019年、神奈川県では国からの補助である「高等学校等就学支援金」と県からの補助である「学費支援金」が私立高校の学費支援の2枚看板です。

ただし、すべての人が支援を受けられるわけではなく所得制限が設けられています。
この所得制限の基準を示すのに現状「高等学校等就学支援金」も「学費支援金」も所得割額という金額が使われています。

具体的な内容については過去記事にまとめておりますので、よろしければ確認してみて下さい。

「所得割額」という言葉だけでもピンとこなかったのに、2020年「高等学校就学支援金」は基準を「課税所得」に変更するとのことで、これではわけがわからなくなってしまいます。

所得割額とは

所得割額とは地方税である住民税(道府県民税・市町村民税)を算出するときに用いる金額で、前年度の収入を基にはじき出されます。

前年度の収入から必要経費や控除額を差し引いて算出され、全住民一律の均等割額との合計が住民税の金額となります。
特別徴収の形を取っている場合は会社から配布される特別徴収税額通知書で、そうでない場合は市町村から配布される納税通知書で確認できるほか、役所で発行してもらえる課税証明書非課税証明書でも確認することが出来ます。

課税所得とは

一方、課税所得とは国税である所得税を算出するときに用いる金額で、今年度の収入を基にはじき出されます。

今年度の収入から必要経費や控除額を差し引いて算出され、金額に応じた税率をかけて控除額を差し引いた額が所得税の金額となります。源泉徴収票で確認することが出来ます。

「高等学校等就学支援金」は国からの補助なので、国税である所得税のときに用いる「課税所得」に基準を変更するといったところでしょうか。正直、文科省のリーフレットはざっくりしすぎでよくわかりません。

所得割額=課税所得ではない!

どちらも年収から必要経費や控除を差し引いて計算しているので同じ金額かと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、まったく異なります。

主な理由は次の2つ
1 対象年度が異なるため
2 所得税と住民税では控除額が異なるため

したがって「所得割額」による区分と「課税所得」による区分が異なるというケースが生じるかもしれません。

この記事を書いた人

加藤 正和
足柄駅前教室責任者/文系科目担当/時事モンGOの中の人

・「熱しにくく、冷めにくい。」一度火が付いたら止まらない性格。
・「書けそうで書けない絶妙なポジションの漢字」を探すのに夢中。

ユーミンとサザンとミスチルと中島みゆきとももクロをこよなく愛しております。でも最近のヘビロテはヒゲダンです♪
ビールと日本酒をこよなく愛しております。
したがって、カラオケと居酒屋をこよなく愛しております。

めったにブログ書きませんが
筆無精の「全力」をご覧ください。