前回定期テストに向けた国語の勉強法について書きました。
内容はなんてことない、だれでも思いつくようなことです。
だからこそ、見逃されやすいし、なんかもっと楽な方法はないかな~と避けたくなるようなものばかりです。
しかし結果を出すならまずは王道を極めるべき。
そのための時間確保と計画性が重要なのです。
さて、前回の記事についてはこれまでにして、今回は神奈川県公立高校入試の攻略法について書いていこうと思います。
定期テストと入試では何が違うのか。
まずはそこから整理していきましょう。
目次
定期テストと入試の違い(説明文)
定期テストは教科書のどの文章から問題が出されるのかは決まっています。
だからこそ、これ以上なく読み込めばその分点数にも跳ね返ってきます。
一方で入試はどの文章が出題されるかは事前に発表されません。
どんな文章が出るかはテストが始まってみないと分からないのです。
まぁこれは誰もが知っていることでしょう。
ただ定期テストと入試で違う点はこれだけにとどまりません。
決定的な違いはその文章の難易度にあります。
扱われるテーマは近年で言えば
「日本家屋と日本文化の関わり」(2014年度)
「モラトリアムとそれにともなう自己実現方法の変化」(2016年度)
「哲学と科学、事実のとらえ方」(2018年度)
「新しい技術による社会や価値観の変化」(2019年度)
などなど問題文では前提とする知識がなくても読めるように、いくつもの注釈が加えられているものの教科書ではあまり扱われてはいないような倫理や哲学的な内容も多く含まれています。
また文で使われている言葉も中学生の日常レベルでは使われないようなものも容赦なくでてきます。
さらに文章だけでなく、選択肢も同様に長く難解に作られています。
以上の点から定期テストと入試問題では決定的な差があるのは明らかです。
しかもそれを初見で解かなければなりません。
難易度2倍・3倍増しですね。(体感)
神奈川家公立高校入試の攻略法 その1 文章を精読せよ
高校入試国語を攻略する上でもっとも重要になってくるのは読むスピードです。
台風のように容赦なく降りかかってくる大量の言葉を飲み込み、ときにはいなして文章の全体像をつかまなければいけません。
そのためには素早く丁寧に文章を読む練習が必須です。
が、だからといっていきなり速く読む練習をしてもなかなか成果は上がりません。
一般的な中学3年生にとって、まず優先すべきはこれまで読んできた文章と入試で出てくる文章とのギャップを埋めることです。
どんなに速く読めようとも、内容が理解できなければ意味がありません。
スピードと理解力の両立が肝心です。
そのためにあえて速く問題を解くことをいったん横に置いて、内容をていねいになぞり理解することを優先しましょう。
題材は過去問がいいでしょう。良質な文章と問題のそろい踏みです。
で、ていねいにってどうやったらいいの?という人はとりあえず次の点に気をつけて読み進めて下さい。
1. 指示語とそれが指している言葉をはっきりとさせる。
2. 言い換え表現どうしをつなぐ。
3. 知らない(説明できない)言葉は調べる。
優先度の高い順番から書きました。
説明文はその性質上、同じような内容を繰り返す事になります。
しかしそのたびに同じ言葉を何度も使えば、読む側の退屈や文字に対するストレスが増えます。
書く側は指示語や言い換えを駆使して、そうしたストレスを軽減させようとします。
解いている側のこちらはその性質を利用しようということです。
ですから内容の理解を優先して、速く読むための下準備からまずはじめます。
神奈川家公立高校入試の攻略法 その2 語彙力を鍛えよう
入試直前期に取り組むにしては重い内容ですが、そうはいっても語彙力は必要です。
入試の後にも財産として残りますからね。
で、その1であげた精読をしながらひたすら調べて、覚えて、でも当然いいです。
ただ、より効果を上げたいなら文章のジャンル別で調べた語彙を分けておくとより良いでしょう。
「哲学」「科学」「文化」「科学技術」などなど。
そうやって整理しておくことで語彙などの知識の引き出しが開けやすくなるのはもちろん、ジャンルを意識することで文章の展開にもある程度の予想が立つようになります。
神奈川家公立高校入試の攻略法 その3 解くスピードを上げる
ある程度の下準備が済んだらタイマーなどで時間をはかりつつ、時間内にすばやく正確に解く練習を開始します。
始めるのは年明けの1月くらいが目安でしょうか。それより後では間に合わなくなるでしょう。
時間の目安は15~20分くらいです。
本番で緊張したり、思わぬアクシデントに見舞われても問題ないように最終的には16分以内におさめると良いです。
ただスピードを意識するあまり、雑な答え合わせをしてはいけません。
ウサギのように解き、亀のように答え合わせや反省を行うのが鉄則です。
神奈川家公立高校入試の攻略法 その4 題材になる文章に触れる
こちらは現中3生にはオススメできません。
中1や中2、さらには来年中学生になる人など比較的時間のある人にオススメします。
ここ6年間で扱われている説明文は「ちくまプリマー新書」や「角川新書」などの新書からの出典が続いています。
もちろん入試で出題される文章に必ず出会えるわけではありません。
が、入試でも出題される文章と同じレベル・質のものに触れられるというのは大きなメリットです。
読みたくもないのに読む必要はありませんが、多少興味があるなら書店などで手に取ってみるのもいいでしょう。
説明文は差がつく傾向
直近3年で比べてみても、説明的文章の正解率は他と比べて低い傾向があります。
要するに他と比べて難しいってことです。
と同時に、小田原で言えば西湘高校あたりを狙う受検生からすると他の受検生と差をつける決定的なチャンスととらえることもできます。
国語でリードを取りたいならば、最優先で取り組むべきは説明文でしょう。
この記事を書いた人
- 山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。
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