公立入試で合格点を取るには

入試問題、どうすれば300点が取れるのか、250点が取れるのか、今日はそれを考えてみましょう。

こんにちは、富水教室の山田です。
ここ最近は、神奈川県の公立入試に関するブログばかりを書いているので、どの高校に合格するには『内申がいくつ必要』なのか、『学力検査で何点を取れればいい』のかは、分かっていただけたかと思います。

あとは、自分が目指す学校のラインまで、コツコツと勉強するだけです。
が、
『効率よく』やりたくないですかね。

そりゃ闇雲にやってもいいですが、私だったら嫌です。
少しでもムダを省きたい。
面倒くさがりやですから。
と言うか、きっと数学を専門でやっている人の多くは、面倒くさがりやではないかと思います。
だから、日々、楽したいな、効率よくできないかな、なんて事を考えていると思います。
『公式』、これもそれですよね。
毎回毎回1からやるのは面倒なので、公式を考えて、次回以降はそれにパッと当てはめて終わりって感じです。

さて、話がズレたので本線に戻りましょう。
学力検査、S湘高校の合格者平均は約300点、A柄高校の合格者平均は約240点と書きました。
合格者平均が300点や250点という、中の上から中の中といった中堅クラスの学校。
どうやってその点数を取るか。
それぞれ、単純に5でわり算すれば、60点と50点です。
つまり、得意不得意を考えなければ、各教科で60点ずつ、50点ずつ取れば合格できるということになります。

公立入試の問題(数学)を知る

まずは、問題の構成を見ましょう。
もちろん、数学です。

問1(計算問題)

ここは、基本的な計算問題が5問、出題されます。
配点は、各3点です。

問2(小問集合)

ここは、様々な分野から出題されます。
(ア)から(オ)まで関連性のある問題ではなく、1つ1つバラバラの問題なので、我々は小問集合と呼ぶことがあります。
配点は、標準的な計算問題の2問だけが各3点で、残りは各4点です。

問3(小問集合)

ここも、問2同様に様々な分野から3問ほど出題されます。
ここには、超難しい図形の問題が出題されることがあるので、注意が必要です。
配点は、4点か5点です。

問4(関数)

2年前までは各5点でしたが、今春は(ア)だけ4点でした。
問題数は3問です。

問5(確率)

最近の出題数は2問です。
配点は、各5点です。

問6(空間図形)

2年前までは各5点でしたが、今春は(ア)だけ4点でした。
問題数は3問です。

問7(平面図形)

3年前までは図形の証明問題(記述)でしたが、2年前から少々変更があります。
全記述だった証明が穴埋めになったり、証明の後に図形の問題が出題されたりしています。
全記述の場合、手をつける(10点)かつけない(0点)かで極端に点差が開いてしまうので、不得意な生徒でも出来る問題、普通の問題、難しい問題と段階を設けようという方向性ではないかと思います。
出題のされ方が変化中なので、配点は分かりませんが、3点か4点程度で3問ほどの出題になるのではないでしょうか。

公立入試の数学(最近の3年間)

『各○点』という表記が多くありますが、この意味が分かるでしょうか。
これは、超簡単な問題も、普通の問題も、超難しい問題も、同じ配点ということです。
過去3年間の問4(関数)と問6(空間図形)で、もう少し詳しく見てみましょう。

2019年度入試(今春)

 問4(ア)・・・4点 正答率84.2%
 問4(イ)・・・5点 正答率29.7%
 問4(ウ)・・・5点 正答率2.0%

 問6(ア)・・・4点 正答率73.0%
 問6(イ)・・・5点 正答率46.3%
 問6(ウ)・・・5点 正答率1.7%

2018年度入試

 問4(ア)・・・5点 正答率88.9%
 問4(イ)・・・5点 正答率36.2%
 問4(ウ)・・・5点 正答率2.8%

 問6(ア)・・・5点 正答率81.8%
 問6(イ)・・・5点 正答率51.4%
 問6(ウ)・・・5点 正答率6.4%

2017年度入試

 問4(ア)・・・5点 正答率89.3%
 問4(イ)・・・5点 正答率73.7%
 問4(ウ)・・・5点 正答率31.5%

 問6(ア)・・・5点 正答率67.1%
 問6(イ)・・・5点 正答率48.8%
 問6(ウ)・・・5点 正答率35.7%

今春の入試では(ア)の配点が1点下がりましたが、正答率と比較をすれば、この『お得感』は半端ないものだと分かるのではないでしょうか。
雑なことを言えば、解けるか解けないか分からない(ウ)でムダな時間を使うより、とっととパスして次の大問の(ア)や(イ)を確実にゲットした方が楽して得点が取れるということです。

公立入試で効率よく合格点を取るには

お得な問題だけでこの点数です

では、実際に(ア)や(イ)だけを解いていって何点が取れるのか。
そこが問題になってくると思います。
何と、中堅クラスの高校に合格するには十分な得点が取れるのです。

問1の計算問題、さすがにこれは全問正解して下さい。

問2と問3の小問集合、序盤の大問ではありますが、実はここに正答率が1桁というような超難しい問題が出題されます。
それは解けなくて構いません。
そして、もう1問くらい間違えても構いません。

それらに加え、残りの問4から問6の(ア)だけ正解できれば、それだけで『約55点』が取れます。

もし、問4から問6の(イ)を2つ正解できれば、『約65点』になるのです。

まだ、確実に問7で超簡単な問題が出題されると決まった訳ではないので、問7を考えないで計算していますが、それでも55点から65点は、そう苦労せずにゲットすることができます。

入試問題を研究しましょう

いつだったか、『彼を知り己を知れば百戦殆からず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し。』と書いたときがあったと思います。
彼(入試問題)を知るとは、こういったことです。

問1の計算問題は別として、勝手なイメージで最初の方の問題は易しくて、後の方になればなるほど難しい問題が出てくると思っているのではないでしょうか。
しかし、それは大きな間違えです。
入試の数学でいうなら、前の問題の(ウ)より、次の問題以降の(ア)や(イ)の方が、圧倒的に簡単です。
しかも、同じ得点なのです。
ただ、単元が変わるだけです。

それを知らず前から順番にやり、難しい問題で時間を使ってしまうというのは、ただのロスです。
問2や問3で、合格者100人中で2人ほどしか解けないような問題が出題されたりするのです。
自分は数学が得意だからと、変なプライドが邪魔して、そこで時間を使っていたら、結果、時間が足りずに取りこぼしをするでしょう。

どうせ満点なんて取れません。
今春の数学の入試、神奈川県下で満点だった生徒はいません。
間違えてもいい、言い換えれば解かなくていい、さらに言うなら解こうとしなくてもいい問題があります。
やりたいのは、数学で満点を取るということではなく、自分が目指す高校に合格でき合計得点を手にするということです。

公立入試までちょうど100日、あと少しです。
残りの時間を、各教科で『効率よく』使って下さい。

この記事を書いた人

山田 明史