小田原市の中3生はもうテストが始まっています(というか終わりかけています)が、中1生・中2生はこれからという学校が多いようです。
さあテスト勉強だ!というときになってまさかノートをまとめちゃう人なんかいないですよね?教科書にマーカーで線ばかり引いている人もいませんよね?
当然テスト勉強の中心は問題演習だと思います。学校のワークだったり塾のテキストだったり、演習するネタはさまざま。
でも、なかなかテスト勉強で問題を解いているのに、得点に結びつかないという悩みを抱えている人が多いのが現実じゃないでしょうか。もしかしたら本人より保護者の方が悩んでいるかもしれません。
そんなとき、勉強法を疑いたくなる気持ちはよく分かります。でもちょっと待ってください。
目次
どんなテキストでも成果は出る
塾のテキストは優秀です。テキストごとに役割やレベルが分かれているので、テキスト選びさえ間違えなければ成果が出やすい。少々高いですけどね。ただ、書店で買えないので、塾の生徒しか入手できません。
そうすると、塾に行っていない人は学校のワーク中心の勉強になりますよね。
この学校のワーク、なかなかあなどれません。効率面では塾のテキストには及びませんが、学校のワークもやりこめば必ず成果を出せます。
全員が解くためのワークなので、確かに基礎問題の分量がかなり多いですね。ただ、量は少ないですが難易度の高い問題もちゃんとあるので、ワークの問題を全部解けるように仕上げれば、テストで8割から9割取れます。
さらに、学校の先生はワークからそのまま出したり、似たような問題を作成して出したりしますので、実は定期テストで点を取りたいなら真っ先に取り組むべき教材でもあるんです。
成果の出ない理由は「勉強量」
教材の善し悪しはありますけど、成果が出ない理由はもっと他のことですよね。理解してないから?やり方が悪い?勉強するタイミングが悪い?そんなことではありません。
それは、まず解いている分量が少ないこと。「物量」が足りないんです。ワークでもプリントでも、徹底的に繰り返して解くだけで、必ず知識は定着します。
ひたすら繰り返すと、理解しないまま言葉だけ覚えてしまうことがあります。確かに理解することは重要です。特に中3で公民を勉強していると、基本的に出てくる言葉が片っ端から難しめ。だから、キチンと理解をしてから覚えていくべきだ、とおっしゃる先生がほとんどです。
ですが、こう考えてみてはどうでしょうか。
とりあえず有無を言わさずとことん反復をして、解ける状態にしておく。用語の本質的な理解はしていないかもしれませんが、とりあえず用語自体は頭に入りますよね。ただ、この状態だとテストで結果を残すのは正直難しい。
ここで、後付けで覚えた用語の意味を理解していくのです。自分の覚えた言葉が意味を持ち、さまざまな他の用語とつながっていくと、普通に理解するより「世界が開けた感覚」が得られます。「ああ、そういうことだったのね!」という気づきです。
経験上、勉強があまり得意でない子はこちらのほうがより深く定着できるタイプが多いと感じます。
「まずは理解をしてから」と頭でっかちになってしまうと、分からないことだらけで時間ばかりかかってしまいますからね。突き抜けた分量で勝負する方が、結果的に時間はかからないのでは。
ちなみに塾の先生だって、問題を解く能力にけっこう差がありますよ。解答力のある先生は例外なくメチャクチャ問題を解きまくっています。私たちが問題を解けなきゃ話になりませんし。
基本的に勉強は量がモノを言う。よほど突き抜けた能力が無い限り、成果は「勉強量」で決まります。
「勉強量」を確保するために
ひとくちに「勉強量」といっても、いろいろなことを手広くやるという意味ではありません。色々な問題集を3冊くらいやれば一定の成果は出ますけど、1冊を3周したほうが得られる成果は大きい。やることを絞って反復して、勉強量を増やすのです。
では、グッと得点を伸ばしたいと考えてる子が勉強量を増やす流れをまとめましょう。
繰り返すものを決める
何度も言います。手広くやってはいけません。1つのことに集中しましょう。
数学なら何かしらの問題集1冊で十分です。英語なら単語の暗記と問題集1冊。暗記が前提の科目なので、ここはしかたないところ。
基本的に各科目1冊に絞ります。特に自学でやっていく場合は、目移りしやすいので絞ることは大事です。
3周することを前提に計画を立てる
どこの先生でも親でも「1回やればいいよー」なんて言わないでしょう。当然「繰り返しなさい」「解き直しなさい」と言うはずです。
その際の「繰り返す回数」の最低ラインは「3回」です。どの教材も3周繰り返すことを前提に、どのくらい時間が必要かを考えてスケジュールを立てます。
なぜ「3回」か。
「1回目」は出来る問題と出来ない問題の仕分けが出来るだけです。「2回目」でようやく少し定着しますが、まだ完璧にはなりません。この状態だとまだ「やったはずなのに解けない」現象が起こります。
「3回目」でほぼ答えられない問題が無くなってきます。最低限この回数をこなさないと、完璧にはなりません。
必要な時間を確保する
中学生の場合、この「時間の見積もり」が苦手です。
先日指導していた生徒がこんな相談をしてきました。ちなみにテスト前日です。
「先生、帰ってから家で英語の仕上げ問題を解いてから寝ようと思うんですけど、何時に帰ったらいいと思いますか?」
この生徒は保護者の許可を得て毎日かなり遅くまで塾で勉強をしていきます。いつもは帰ったら寝るだけ。でもその日はさらに勉強をすると言うのです。
聞いてみると、仕上げに解くページ数は約10ページ。そこでこんなアドバイスをしました。
「まず起きる時間は何時?7時?
最低限6時間は寝なさい。
だから遅くとも1時には寝ると考えて、12時半には勉強を終わりにしよう」
「お風呂も入らなきゃいけないですもんね」
「そうだね。お風呂は30分あれば充分かな?
でね、問題集を見開き2ページやるのに20分かかるとして、10ページだからその5倍で100分かかるじゃん?
てことは、10時半にはここを出ないと、1時には寝られないでしょ」
そんなアドバイスをしたところ、結局10時半過ぎに帰りました。で、これ見積もりをしたの私なんですよね。
実はその生徒がいきなり帰る時間の質問をしたんじゃなくて、私が「何時に帰る予定?」と聞いたんです。すると帰ってからとんでもない量の演習をする予定を話し始めたので、おいおいおいおいそれ寝る時間なくなるじゃんというツッコミから、じゃあ何時に帰ったらいいのよ的な質問を受けたという流れです。
明らかに自分の解くペースや解く量が見積もれていないがゆえの発言ですからね。
この必要な時間を見積もるために欠かせないのが、1ページを解くのにかける時間を決めることです。
テストが低迷する生徒ほど、マイペースと称して1ページに好き放題時間をかけます。結果的に勉強時間はとても長いのに解いた問題量はとても少ないので、テストの結果が出ないことになります。はたから見ている保護者の方にとっては、勉強時間=勉強量と思ってしまうので、あんなたくさん勉強したのになんで結果が出ないんだ!と思うのも仕方ありません。
それを防ぐには、キチンと解く時間を決めて、その分の時間を確保します。こうすれば勉強時間と勉強量が比例していくので、ちゃんとたくさん問題を解くことができるんです。
こうした管理をしていけば、ワークを3周するという理想的な勉強量が確保できます。
まとめ
勉強法は山ほどあります。しかし、ある程度の得点までは勉強法に関係なくたっぷりと問題演習を繰り返すことで伸びていきます。
その最低ラインが「1つの問題集を3周する」ことだと私は考えています。
当然苦手な人は3周で足りないかもしれませんね。得意な人は3周したら全問クリアできるでしょうけど、苦手な人は他の人より多く手間と時間がかかるのが当たり前。それなら3周と言わず、4周、5周と身につくまで繰り返すしかありません。
大丈夫、それがずっと続くわけではありません。最初はすごい回数繰り返さなければいけなかった科目も、勉強に慣れ、実力がついてくれば、繰り返す回数はだんだん減っていくものです。
1ページに30分かけるより、1ページを10分で3周したほうが効果的です。得点が伸び悩んでいる子は、それを頭に入れて演習を頑張ってください。
ところで全然関係ありませんが、先ほどお風呂の時間を30分と見積もりましたが、私はお風呂で動画を見ながら寝ているので1時間は見積もらないといけません。たぶんその分早く寝た方が体には良いと思います。
この記事を書いた人
- 指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
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