「本を読ませたいけど、何かオススメは?」のリクエストに答える一回目。
今回紹介する本はこちら↓
「プチ哲学」 佐藤雅彦著 中公文庫
目次
どんな人にオススメ?
・小4以上。
・本を読むのが苦手な人。
・長い文章を読むのが苦手な人。
・習慣的な読書を始めてみたいけど何読んだら良いかわからないよという人。
読みやすさ
見開き2ページのイラストと150字程度のテーマ解説がワンセット。
おもわずほっこりするようなゆるーい、やさしーいイラスト。
しかし、その中には普段では気づかないような視点がかくれている。
「言われてみればそうだな」
「そんな見方もあるのか~」
と子どもだけでなく大人も思わずハッと感心してしまうようなテーマが全部で31個。
「哲学」と聞くといかにも難しいテーマを扱っているように思うが、そんなことはない。
この本の目的ははじめのページにあるたった一言に集約されている。
「ちょっとだけ深く考えてみる―― それがプチ哲学」
実際、学校教科書の文章ですら途中でギブアップしてしまうくらいの本嫌いでも、面白いから貸してくれとリクエストするくらいの読みやすさだ。
とにかく気楽に構えずに読みたい。
そんなリクエストに答える良い一冊。
ちょっとだけ内容紹介
普段なら目にもとまらないような人・もの・習慣。
あるのが当たり前のそれらの前で立ち止まってちょっとだけ深く考えてみる。
すると、そこには思いもよらない新発見があるかもしれない。
そんなわくわくを与えてくれる本だ。
イラストと短い文という、いかにも読みやすい体裁だが、スカスカな中身ではない。
「次元を変える」だとか「逆算という考え方」だとか「連続と非連続」とかテーマは哲学そのもの。
その一つ一つに面白い考え方やそのきっかけがつまっている。
解説とイラストを何度も行き来して、「はぁ~なるほど!」「次はどんなテーマなんだ?」と本を読む手が止まらなくなる。
そして読み終えた後には人に話したくなる。
あまり読書と学習を結びつけるのは好きではないが、この本は深く考えるきっかけを与えてくれる。
難しそうに見えることも視点次第で簡単になったり、単純そうなことも実は奥が深かったり。
だからふとしたときに、自分の見方を変えてくれるかもしれない。
「勉強ってこうやるもんだと思っていたけど、すこし方法を変えてみよう」とか。「なんか別の覚えかたないかな」とか。
どうにも行き詰まってどうにももいかないときに読んでみるといいかもしれない。
そうじゃなくても、読んでいると自然と知りたいと思う気持ちを駆り立ててくれる本だ。
いずれにしても一度読み出すと30分は読み続けてしまう。そして何周か読んでも新しい発見があるのでオススメだ。
この記事を書いた人
- 山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。
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