ここのところ、どこの小学校でも家庭学習の課題がでている。
僕が小学生のときにはなかった制度で、学年×10分を平日は毎日というのが相場らしい。
あくまで家庭学習なので何をするかは自由だが、だからこそ何をしたら(させたら)いいか迷われる保護者の方も多いそうだ。
もしやることが思いつかないなら、ぜひ短文づくりをおすすめしたい。
教科書や新聞など知らない言葉を片っ端から調べて、その言葉を使って短文を作る。
あるいは漢字練習に取り入れてもいい。
以前記事にもしたが、うちの塾の小学生は漢字テストと一緒に短文づくりをしている。
くわしくは下の記事で。
で、短文とはいえ文を書かされるから小学生にとってはイヤなのかなと様子見をしているがそんなことはないようだ。
むしろ、文を作るのが楽しいと言っている子もいる。
実際、凝った内容の文を考えてくる子もいるし、物語のようにシリーズ化している子もいる。
意外と書くことに飢えている子もいる。
自分が作った文を見せ合ってゲラゲラ笑っているのを見ると、それはそれでいいと思う。
ただ一方で、なかなかうまく作文が書けなかったり、言葉の意味を理解しきれないために文を書くのに苦戦してしまう子もいる。
そうした子の多くに共通しているのが、調べた意味をそのまま記入しているのだ。
目次
辞書の効果的な使い方1 意味を自分の言葉で書く
わからないことを調べる。
そんなときに大活躍するのが辞書。
辞書は大変便利で、あらゆる言葉の意味が載っている。
ただ時々、その説明が難しい場合がある。
辞書は書き込める字数に制限があるため、難しい表現を使わざるを得ない。
だから、調べた言葉の意味をそのまま書いてもわからない場合がある。
にもかかわらず、辞書に書いてある言葉を写して終わったらどうだろう。
それでは調べた意味がないのも同じ。
ではどうするか。
辞書で調べた言葉を自分なりの言葉に変えて書けばいい。
ただ小学生の場合、いきなり自分の力で正しく変えるのは難しいかもしれない。
だから、ときどき補助をしたり、知らないふりをして教えてもらったり、クイズのようにしたりする。
そうすることで言葉の意味を自分で表現できるようになる。
実際、うちの教室に通っている小学生もはじめのうちは辞書に書いてある通りの意味を書いていた。
が、何度か自分の言葉で説明を書くようにいうとだんだん自分の言葉で書くようになった。
それにつられるように、熟語を分解して意味を考えるようになったり、短文の表現もレベルアップしたのでおススメの方法だ。
辞書の効果的な使い方2 類義語・対義語に注目する
辞書を意味調べだけに使うのはもったいない。
せっかく調べたならその類義語・対義語にも注目しよう。
どうせ勉強するなら一石二鳥を狙っていきたい。
類義語や対義語は細かい部分を考えなければ調べなおす手間を省くことができる。
それらを使って短文を作るのも忘れずに。
辞書の効果的な使い方3 例文を利用する
調べた言葉の意味がうまくつかめなかったり、なんとなくわかってもどうやって文にしたらいいかわからないときもあるだろう。
そんなときは、辞書に載っている例文を利用しよう。
これも実際教えている子が短文づくりに苦労したときにやる方法だ。
言葉の意味などがうまく理解できないときはとりあえず例文を写してみる。
そのあと、例文の一部を変えてみる。
もとの例文を参考にして、なにか一つでもいいから単語を変えてみる。
それで意味が通る文になっているかチェック。
これも繰り返していくうちにだんだん文の作り方のコツが身につくようになる。
辞書を使うときの注意点
わからないことがあったら調べる。
これは大変すばらしいこと。
ただ気を付けておきたいのは、調べるだけではあまり学習効果がない点だ。
これはほかの勉強に例えるなら教科書を読んだだけで勉強した気になっているのと同じ。
情報をインプットしているだけでは身につかない。
調べたことを使ってみて初めて、身につくようになる。
調べたら文を作る。
難しいようなら例文をアレンジする。
何にしても調べたものを使うまでがワンセットと考えてもらえればいい。
この記事を書いた人
- 山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。
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