本日(令和2年2月14日)実施された令和最初の神奈川県公立高校の学力検査。
国語の問題分析と難易度をいち早くお知らせします。

文中で表記されるA~Cは次のような指標です。

難しい。上位校を合格するには得点したい問題。
標準。中堅校を合格するには得点したい問題。
簡単。確実に得点しておきたい問題。

なお、各設問の表記は

問題番号 解答 難易度

の順で表記します。

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問1 漢字の読み書き、文法、短歌の鑑賞 (20点)

(ア)
1 ゆうかん 難易度C  
2 しっそう 難易度C 
3 しゅんびん 難易度C 
4 ほころ(び) 難易度B 

(イ)
a 1 難易度B 
b 4 難易度C 
c 2 難易度B 
d 3 難易度C 
(ウ) 4 難易度C 
(エ) 2 難易度C 

難易度分析

難易度は昨年度と比べて圧倒的に簡単になったといえます。
出題傾向は変わらずですが、出題された漢字の多くが教科書などでもよく見られるようなものばかりです。
そのため、全体的な正答率も高まると予想できます。

問2 古文の読解 (16点)

(ア) 1 難易度C 
(イ) 4 難易度B 
(ウ) 2 難易度B 
(エ) 3 難易度C 

難易度分析

こちらも昨年度と比べると簡単になっています。
その理由はまず「伊曾保物語」からの出典だったこと。
童話にもなっているように、ストーリーは非常に素直で、ある程度の読解力があれば終盤のオチも予想可能でしょう。
そうでなくても、文章の最初にあるリード文を正確に読み取ることができれば大きな読み違えもおきにくいはず。
「祈りの力によって善人にしてほしい」を「善人になりたい」と読み間違えると芋づる式で、大量に失点もあるのがやや怖いところです。
(イ)(ウ)でやや丁寧な消去が求められますが、全体的には点を取りやすい部類の問題です。

問3 小説文の読解 (24点)

(ア) 3 難易度C 
(イ) 1 難易度C 
(ウ) 2 難易度C 
(エ) 1 難易度B 
(オ) 3 難易度C 
(カ) 4 難易度B 

難易度分析

昨年度よりも簡単です。
現代に近い時代背景。直接的な感情表現。誤っている箇所が選択肢の前半に集中している、などが原因に挙げられます。
登場人物の視点がときどき入れ替わるのが読みにくさを感じさせるものの、ここまで解いた段階でこんな簡単でいいのかと拍子抜けした受検生も多かったのでは。

問4 説明的文章の読解 (30点)

(ア) 1 難易度C 
(イ) 3 難易度B 
(ウ) 2 難易度B 
(エ) 1 難易度A 
(オ)
Ⅰ 分かりやすい 難易度C 
Ⅱ 妄信的な考え方 難易度B 
(カ) 4 難易度B 
(キ) 4 難易度A 
(ク) 2 難易度B 

難易度分析

今回の鬼門です。
内容的についていけない人をとことん突き放すような内容です。
語彙のレベルも前にある大問3つとは比べものになりません。
ただ問題自体は、(内容がはっきりとつかめていなくても)傍線前後に書いてあることと選択肢に書いてあることを丁寧に見比べれば、十分解答できるレベルです。
国語の得意、不得意が強烈に表れる問題で、上位校ではこの問4のデキが勝負の分かれ目になるでしょう。

問5 資料の読み取り (10点)

(ア) 3 難易度C 
(イ) 省略 難易度A 

難易度分析

難易度の前に、(イ)について表ⅠやCさんやAさんの発言からは節水便器などの技術が進歩していることが読み取れます。また、表ⅡやDさんの発言からは節水に対する意識の高まりを読み取ることができます。
とはいえ読み取った内容を端的に表現する難しさは相変わらずなので、(イ)の正答率は低いままで、難易度としては昨年並みであまり変化はないでしょう。

問題全体の総合的な難易度は

問1~3に関しては完全な易化。
正答率が3割を切る問題はほぼないといっていいでしょう。
そのため平均点は確実に上昇すると思われます。
一方で問4は文章内容がより抽象的になった分、難化。
ここで差がつく分、国語が得意な人にとっては有利な問題だったのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

陌間 和将
山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。