各公立中学校のカリキュラム、なぜこうもバラバラなのか?
進め方の違いにより、理解度に差は生まれないのだろうか?
最後に待ち受けるのは、同じ日に同じテストなのに。

こんにちは、富水教室の山田です。

腑に落ちない ~各中学校のカリキュラム~

1年以上前になりますが、『学校間格差、あるに決まってんだろ』、『格差による弊害』といった記事を書きました。
今日は、あの時と同じくらい、いやもっと怒っています。

先週の金曜、令和3年度神奈川県公立高等学校入学者選抜について、出題範囲や日程が発表されました。
その日のブログでハザティーが書いたように、削除された範囲はごく僅かで、どの教科も出題傾向に大きな変化はなさそうです。
また、入試日程も例年通りということで、『けっきょく同じね』という印象でした。
『けっきょく』って書いてますが、怒っていませんよ。

3ヶ月もの休校期間があり、その期間での学力低下なども考えられる中、なぜこうも変わらなかったのかと不思議に思います。
『なぜこうも・・・』と書いていますが、まだ怒っていませんよ。

あれやこれやと詮索してもしょうがないですが、『これって、問題を作る側の都合?』とも思ってしまいます。
それ以外にも、『学校の進度に差がありすぎるってのも1つの原因なのか?』などとも思ってしまいます。
まだまだ、怒っていませんよ。

考えても分からないですし、それを考えていても生徒達が合格に一歩近づくというわけでもないので、それはそれとして受け止めるしかありません。

ただ、どうしても腑に落ちないことがあります
はい、ここから毒で~す。
それは、『各中学校のカリキュラム』です。

各中学校の進め方 ~過去にはこんな違いがありました~

学校の進度に差がありすぎて・・・と書きましたが、いや本当に、学校によって進める順序、進め方が違いすぎます。
もはや、教科書って何なのとも思ってしまいます。
出版社によって同じ教科でも違いはありますし、教科書順に指導しなければならないという決まりがあるわけではないでしょうが、あっち飛んだりこっち飛んだりという進み方をしているところもあります。

例えば社会、中1中2だったら地歴の順序、中3なら歴史と公民の順番というのもありますが、それはいたしかたないのでいいです。
違和感を感じるのは、地理の中、公民の中だけでも進み方がバラバラという点です。
ある時のある学校では、九州地方、中国・四国地方ときて、近畿から関東までを飛ばして先に東北地方と北海道地方を教えたというところもあります。
南(九州)から順にとか北(北海道)から順にと教えなくても、分かる分からないには関係ありませんが、突然ジャンプする意味、そのメリットが分からない
いや、何もないだろ。

社会だけじゃありません。
理科でも、教科書順に進めていく学校、教科書順は無視して先生の好き勝手に単元を進めていく学校、複数の単元を同時に進めるという学校など様々です。
複数の単元を同時進行する学校の中には、2人の先生が担当しているというところもあります。
2人で指導するのは構わないと思いますが、A先生の授業は週に3回あるけどB先生の授業は週に1回しかないというような進め方のところもあったりします。
これがどういうことかというと、例えば化学分野と物理分野を同時進行しているとするなら、化学は週に3回授業があるのに物理は週に1回しか授業がないといったことになります。
ここにどんなメリットがあるのか、理解に苦しみます
理科の場合、大規模な地震や火山の噴火、記録的な台風など、世の中に大きな影響を与えるような出来事があった時、先にそれらの単元を学習するといったことがあったりしますが、それには意味があるので賛成です。
まあ、単元が独立している理科なので、べつに4単元同時でも最悪構わないかとは思います。
生徒達は混乱するでしょうが。
しかし、それは全県で一致していればという大前提付きでしょう。

こうもバラバラで、いいの?
皆さんはそう感じないでしょうか?

百歩譲って、何事もなかったらいいですよ。
3年間、普通に過ごせたなら。

各中学校の進め方 ~今でも大きな違いがあります~

学校の進度に差がありすぎて・・・と疑ったのはここです。
あまりにもバラバラすぎて、簡単に教科書の最後の方を4分の1カットしよう的なことはできなかったのではないか。
4分の1という数字は、休校期間が3ヶ月だったので、無理なく調整するには、中3の内容をその程度カットしなければということで、仮に使った数字です。
全県の足並みを揃えるには、ほぼ最後までやるしかないと判断したのではないか、そう思ってしまいます。

そしてこんなご時世、今このタイミングで、入試ではカットされる単元を学習させているという学校もあります。
何故こんな事態の中、そこを先に学習させようと判断したのか。
何も無かったらその予定だったけど、今年は・・・という判断ができなかったのか。
不憫でならない。
生徒達にとって、プラスを生むどころか・・・。

不測の事態が起こったとき、その学校の、もしくはある先生の勝手な采配で不利を被る生徒がいるというのは、あってもいいことなのか。
不測の事態だからしょうがないで済ませるには、判断が甘すぎるのではないだろうか。

他の学校でも、中3ではない学年ですが、やはり何のメリットがあるのか知りませんが、理科の授業、複数の単元を同時に進めているというところもあります。
もはや、今回のことで、何も学ばなかったのかと疑問しかない

全県一致のカリキュラムをつくるべきではないのだろうか?

ちゃんと決めるべきじゃないんですかね。
全県一致の進め方を

細かなことを言うなら、教科書の見直しも必要だと感じます。
例えば、英語でよくあることですが、出版社ごとに出てくる文法の順番が違ったりします。
これも、やはり何かが起き、足を止めなければならなくなった時のことなどを考えると、一致できるものならば一致させた方がいいのではないでしょうか。

また、指導順は普通だけど進度が極めて遅いというのも罪だと思います。
中2終了時点でまだ江戸時代の途中、社会の指導をしたことがある方なら、これが極めて遅いということは分かると思います。
あまりにも進度が遅いとなると、どこかでその帳尻合わせをせざるを得なくなります。
結果、理解が追いつかないほどのハイペースで授業をやることになり、その単元は『ただやった』で終わってしまいます。
最後に同じテストを受ける者同士の間に、有利不利があってはダメでしょう

もしもばかりを考えていたら、確かに何も決められません。
しかし、ある程度の想定は必要なのではないでしょうか。
まして、今もまだ解決していない今回のような出来事に直面している中、明確なメリットもないだろう指導カリキュラムを推し進めるのは、いかがなものか。

この記事を書いた人

山田 明史