市内の中学校では来週からテストが始まるところがあります。
コロナにより時期が変則的になったものの、中2・3生にとっては大きな影響はないでしょう。

さて一方で中1生。
6月から中学校の授業を受けはじめ、およそ1か月半の内容がテストになります。
短い範囲とはいえ初めて受ける中学校のテストです。
そのテストに向け、万全の準備ができているでしょうか。

今回はテストの準備について書いていきましょう。
9月にテストをむかえる中1生もテスト準備のチェックシートとして活用してください。

□1 提出物を自分の力で解く

定期テストに提出物はつきものです。
英・数・国・理・社の5科目ではたいていワークを提出物として課されます。

ここで多くの中1生が、教科書を見ながら解いてしまいがちです。
が、それはほとんど効果がないのでやめましょう。

え、分からないことを調べちゃダメなの?

そうではありません。
よくないのは調べながら問題を解いているところです。
調べながら問題を解くということは、教科書に書いてある答えを写しているのと同じです。
つまり自分の実力で答えを出しているわけではないのです。

一方、テスト本番では教科書は使えません。
筆記用具と自分の頭だけで勝負しなければいけないのです。
勉強したことを本番で発揮するには、自分の頭だけで解く練習が必要です。

ですからできるだけ自分の力だけで解くようにしましょう。

そうすると場合によってはワークが×だらけになってしまうでしょう。
調べながら解いたら〇ばかり並ぶのに。
×だらけのワークは見るのもいやになるかもしれません。

が、それでいいんです。
×がついた問題は自分の理解が浅いところ、勉強が足りないところの目印です。
その部分を調べたり、教科書を読んで復習したりして補うことで強くなります。

ワークを解く目的を考えましょう。
あなたがワークに取り組む目的はワークにある問題に正解することなのか、それともそこにある知識を自分のものにすることなのか。

テストで点数をとるために必要なことを考えましょう。
ワークにある問題に正解することなのか、そこにある解き方を身につけることなのか。

そう考えると自然と取り組み方も決まってくるでしょう。

□2 提出物で間違えた問題を調べる、まとめる、問題にする

一通りの問題を自力で解いたら、足りない部分を補いましょう

教科書・プリントを見直す、解説を読むなんかが一般的です。
間違った問題を正解するのに必要な知識、解き方を考えます。

なんでその答えになるのか。
その答えを出すのに必要な知識は何か。
細かい説明の見落としはなかったか。

などなど間違えた問題に対してとことん追求していきましょう。

ここが勉強について一番大事なところであり、一番大変なところです。
はじめはなかなかうまくいきません。

が、ここを素通りしても大した成果は得られないので踏ん張っていきましょう。

調べても分からなければ、周りの人や先生に聞いてみましょう。
足りないピースを埋めてくれるかもしれません。

で、調べて・聞いて分かったところで安心しないように。

人間は悲しいかな、忘れる生き物です。

忘れないための対策が必要です。

そのためにはノートにまとめる、単語帳をつくる、問題を自作するなどの方法があります。
人によって合う方法はまちまちなので、いろいろ試してみるのがいいでしょう。

特に中1の期間は知識の定着方法を試す絶好の機会です。
学年が上がると、テストの結果が入試に関わってくるようになるので思い切った行動が次第にとれなくなります。

□3 穴がなくなるまで解きなおす

1「自力で解く」・2「調べる」の勉強で順調に穴を見つけ、ふさぐ方法を見つけることができたなら、あとは実際にやるのみです。
間違えた問題を解きなおし、2で調べた・覚えたことが十分かチェックします。

もちろん一度解きなおしただけでは穴は防ぎきれないでしょう。
しかし、ふさぐべき穴の数も確実に減っているはずです。
ここからは2の「調べる」と3の「解きなおし」の往復になります。

で、ここまで読んですでにお気づきの人もいるでしょう。

この一連の勉強にはとても時間が必要ということに。

といっても、ここまでに書いた3つのポイントを妥協なくやりこめば、ほぼ間違いなく8割以上の得点は約束されます。

そういう意味で限られた時間を有効活用するためには、一つの隠しポイントがあります。
それは取り組む教材を限定することです。

学校から配られている問題集があるならば、それをとことんやりこみましょう。
とことんやりこんだ結果、不足を感じるならチェック用として市販の問題集などを使ってもいいでしょう。
とはいえそれも1冊で十分です。
それ以上はお金や時間の面でもコストに見合いません。

テストで高得点をとるための魔法の勉強法はありません

以上でテストで8割↑をとるための勉強ポイント3つを紹介しました。

一通り読んで、想像してもらえば分かるでしょうがこれらのポイントはとても地味で泥臭いです。
ですから大半の人がもっと簡単な方法はないかとその過程の中で脱落していきます。
そうやって脱落していった人が結果を残しているかというと…ちょっと疑問です。

逆にここまで地道な勉強をやり通せたからこそ、学年の上位に君臨できるというものです。

定期テストで8割↑をキープすることは西湘以上の高校に進学できる可能性を大いに広げます。

それは「通える」学校ではなく、自分から「通いたい」学校を選べる強いカードを手にするのと同じです。

残り期間がわずかな学校もあるでしょうが、どうか残り期間を使いきって最高の結果を残していきましょう。

この記事を書いた人

陌間 和将
山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。