先日の記事で「集中するためには時間を決める」ということを書きました。
この「時間を計る」ことを自学の中で実践している人がどれだけいるかと言われたら、ほぼやっていないだろうと思います。
まあ、生徒にもキチンと説明しましたが、それを早速やってみよう!なんて人は10%がいいとこでしょう。だから学力はどんどん開くんですけどね。
先日の記事でも「稿を改めて説明する」と豪語しましたし、有言実行で書いてみましょう!
目次
時間を計ると集中する
これは先日の記事でも書いたとおり。「このページは10分で解くぞ」と決めて時間を計ると、他のコトに気が散っている場合ではなくなります。
結果、知らず知らずのうちに集中せざるを得ないわけです。
時間も決めず、適当に進んだところまでで勉強は終わり、なんてやってたらいつになっても終わりません。作業が遅い人や課題をギリギリまで残してしまう人は日々こんな調子なのでしょう。
時間を計ると勉強量が増える
時間を決めて解くということは、逆に言えばそれ以上時間がかからないということ。
1ページ10分と決めれば、採点を5分ずつやったとしても、1時間で4ページ進みます。
同じ勉強時間でも密度を濃くして効果を上げる、これってみんな憧れてるコトじゃないんですかね?密度を濃くする方法は2つあって、1つは多く解くこと、もう1つは深く考えることです。
テストで8割くらいを目指しているレベルであれば、圧倒的に「多く解くこと」を優先すべきです。時間を決めて大量に問題をこなしていくのが得点力に直結します。
さらに9割から満点を狙うとなれば、あえて時間制限をつけずに1問を深く深く考えるようにするのも大事になってきますが、それは先の話。まずは時間制限をつけてサクサク進めましょう。
ま、深く考えるのってとても楽しいんですけどね(苦しい人もいます)。
時間を計るとミスをしやすくなる
あえて強めの表現をするなら、勉強においてマイペースは基本的に「害」です。
それはなぜか。時間制限のないテストなどありえないからです。
けっこういますよね、「本番になると結果が出ない子」って。その原因の多くは、本番を想定した練習をしていないことにあります。
時間を計らず自分のペースでノンビリ考えながら解く。テスト勉強でこれしかやってこなかった場合、まず本番でケアレスミスを連発することになるでしょう。
厳しい制限時間をつけて全力で解くと、普段より圧倒的にミスをしやすくなります。これはとても勉強にとって良いことです。
ミスをするのが良いことではありませんよ。ミスをしやすい環境で勉強するのが良いことなんです。自分がどういうミスをしがちなのか分かれば、対策も取りやすいでしょう。
本番の緊張感と全く同じ環境を自宅で作るのは無理ですが、少しでもそこに近づけるには「時間を計る」ことが効果的ですよ。
時間を計ると簡単な問題が鬼畜な問題に化ける
勉強において御法度なのが、「すでに解ける問題を何度も解く」ことです。
基本的にみんな間違えたくないものです。バツだらけのノートなど見たくないのが普通でしょう。
僕もこれに関してはあまり人のことを言えませんね。たまにミスをしたときの自分に対するイラつきや失望感は半端ではありません。それはもうペンをへし折りたくなるくらいに。
でも、解けない問題を解けるようにするのがテスト勉強の目的ですから、解ける問題は優先度が圧倒的に低いわけです。簡単な問題を何度も解いて、ノートに並んだマルをニヤニヤ眺めていても意味がありません。
しかし!時間を計るなら話は別。簡単な問題が一気に高いハードルに化けます。
例えば、中3生に必ずやらせるのが簡単な展開・因数分解の問題を50問ほど一気に解かせる練習。これを5分で全問正解出来るようにします。1問あたり6秒しかないので、使う公式を悩んでいるヒマはありませんし、答えを書いている間に次の問題を解き始めるくらいじゃないと終わりません。
これ、問題は簡単でも脳に圧倒的な負荷がかかります。瞬時に判断する能力を磨いて本番に備えるには大変効果的な練習なんです。
一問一答のような簡単な問題をごく短い制限時間で解くのも非常にオススメ。学校のワークのような難易度易しめの問題集でも、時間を制限することで良質な問題集に化けるんです。
制限時間は「自分の限界の半分」がオススメ
「結果にコミットする」でおなじみのライ○ップってありますよね。別人レベルで体系が変わるのをCMでご覧になったことがあるでしょう。
あの筋トレがどうやら鬼なんですよね。例えば、もうこれ以上はムリ!というくらい自分の限界を振り絞って筋トレをしたあと、トレーナーが「あと○回!」という無慈悲な指示熱の入った檄を飛ばすそうです。自分だけでは踏み込めない領域に後押ししてくれるワケです。そりゃ筋肉も付くってもんです。
だから、自分の限界で甘えちゃダメなんです。
ワークを解くための時間制限を決めるときは、「うーん、私が一生懸命解いたら10分かな」と思ったらそれを2で割りましょう。つまりその場合は5分です。
は?短すぎじゃない?バカじゃないの?と思うかもしれませんが、そのくらいがちょうど良いですよ。
自分の考える限界なんて全然限界じゃないですからね。先ほど書いた数学の50問を解かせるとき、だいたい生徒に「何分欲しい?」と聞くと「10分」やら「15分」やら言い出しますから。それでは効果が薄いので、僕は生徒が自己申告した時間を2で割った時間を指示することが多いです。
それでも終わるんですよ、意外と。
まとめ
時間を決めて問題を解くのはメリットがたくさん。一方でこれといってデメリットはありません。
試験期間の演習中にダラダラ解いている生徒を見つけると、僕は無言でタイマーをそっと机に置いて去ります。生徒はそれで察するのか、時間を計りながら集中して演習するんですよね。素直でいいですね。
ということで、勉強机に一台タイマーを装備しましょう。それが自宅での勉強をガラッと変えてくれるかもしれません。
ちなみに前回と同じように、時間制限をつけて頑張ってブログを書くという試みを自ら実践してみましたが、今回は38分で2800文字の執筆でした。かくいう僕もどちらかといえばダラダラ作業をしてしまう人間なので、時間制限の大事さは身にしみています。
この記事を書いた人
- 指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
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