こんにちは、富水教室の山田です。
今年度の夏期講習も終わりました。
今年の夏も、新たな出会いがありました。
A君:「こんなの生活の何の役に立つの」
私:「生活って日常生活の?日常生活の役になんて立たないよ。そのためにやってるんじゃないよ。算数・数学を勉強していくなかで、計算は切っても切り離せないからね。だから、早く正確にできる練習をしているんだよ。」
日常生活の役になんて立たないよ。という言葉が想定外だったからか、何の反論もなくスッと終わりました。
A君:「何で文字はxを使うの、xじゃなくたっていいじゃん」
私:「xじゃなくたっていいんだよ。aでもbでも、pやq、sやt、何だって構わないよ。じゃあ何でxをよく使うんだろうね。aやbやc、1や2や3ていう最初の方のものは、何かを表す時に使いやすいんだよね。だから、後ろの方の文字を使っているってのも1つの理由だね。x、yって連続して使うのは、飛び飛びだと分かりにくいからだろうね。でもじゃあ何でy、zじゃないんだろうね。みんながいる世界が、縦・横・高さの3つがある三次元だからってのもあるだろうね。今はまだ見たことないだろうけど、そのうちx軸、y軸、z軸がある座標の中にグラフを書いたりするんだよ。y、z、aじゃおかしいよね。xから使うとちょうどいいよね。x軸とy軸、y軸とz軸、z軸とx軸、全部90°の関係だ。何で90°なんだろうね。1番離れているってことかな。それを越えると反対から見たら近くなっちゃうからね。この全部90°の関係ってのをもとに、四次元め、五次元めっていうのは定義されたりするんだね。ちゃんと定義できるんだけど、ここに作図はできないんだね。三次元に住んでいる我々には、一次元や二次元は見えても、それより上の次元は見えないんだね。だからイメージするしかない。でも、その存在は定義できるんだね。」
こんな楽しいやりとりをしました。
小学生はストレート、とくに体験で来ているような生徒は、まだ勉強をするという習慣が身についていないことが多いので、ド直球で思ったこと感じたことを言ってくることがあります。
さて、せっかくなので、この夏に小6と小5が勉強したことを少し復習してみたいと思います。
10=□×5
□にあてはまる数を答えなさい。
どう?できるよね?
この夏にやった問題、数字は簡単にしてありますが、次のようなものでした。
(1) AからBまでの道のりは7/8km、AからCまでの道のりは5/4kmあります。AからCまでの道のりは、AからBまでの道のりの何倍ですか。
(2) 面積が36m^2の庭があります。花だんの面積は、庭の面積の2/9です。花だんの面積は何m^2ですか。
(3) かべをぬるのに、ペンキを5/4L使いました。これは、はじめにあったペンキの量の5/8にあたります。はじめにあったペンキの量は何Lですか。
(4) 青のペンキの量は4.2L。白のペンキの量は3.5Lです。白のペンキの量は、青のペンキの量の何倍ですか。
(5) オレンジジュースの量は、5Lあります。りんごジュースの量はオレンジジュースの量の1.26倍です。りんごジュースの量は何Lですか。
(6) 父の年れいは40才です。これは兄の年れいの2.5倍です。兄の年れいは何才ですか。
これ、全部同じ形の文章です。
(1) AからCまでの道のりは、AからBまでの道のりの何倍ですか。
(2) 花だんの面積は、庭の面積の2/9です。
(3) これ(使ったペンキ)は、はじめにあったペンキの量の5/8にあたります。
(4) 白のペンキの量は、青のペンキの量の何倍ですか。
(5) りんごジュースの量はオレンジジュースの量の1.26倍です。
(6) これ(父の年れい)は兄の年れいの2.5倍です。
○は□の△倍です。
余計な言葉を全て省けば、全部この形。
国語と違って算数の文章は、それほど複雑ではありません。
多くの文章問題、飾りを外せば『○は□の△倍です。』や『□の△倍は○です。』というものです。
10は□の5倍です。
つまり、これが解ければ、この6問は解けるはずです。
文の形は分かりました。
ではこの3つ、どんな関係(式)になっているのか。
その手がかりになるのが『は』です。
日本語の『は』、これは算数・数学の式の『=(イコール)』です。
1+2=3
これ、『いちたすには(=)さん』と読みますよね。
『は』の前と後にあるものが=でつながれます。
したがって、『○は□の△倍です。』を式にすると『○=□×△』になります。
もし『は』がなかったら、『が』を探しましょう。
『が』も同じはたらきをします。
この式を『いちたすにがさん』と読む人はあまりいないと思いますが、意味は同じですね。
『○は□の△倍です。』と『○が□の△倍です。』は同じです。
ちなみにこれ、小学生だけでなく中学生でも使えます。
(1) 連続する3つの自然数がある。小さい方の2数の積の3倍は、大きい方の2数の積の2倍より36大きい。この3つの自然数を求めなさい。
(2) 縦12m、横18mの長方形の土地に、辺に平行に縦横同じ幅の道をつけたところ、道以外の部分の面積がもとの長方形の面積の5/8になった。道の幅は何mか求めなさい。
これら、内容としては中3で学習する2次方程式の利用です。
しかし、文章の形としては、やはり小学生のものと同じです。
(1) 小さい方の2数の積の3倍は、大きい方の2数の積の2倍より36大きい
(2) 道以外の部分の面積がもとの長方形の面積の5/8
パーツパーツを見ても、
『小さい方の2数の積の3倍』、『大きい方の2数の積の2倍』
□の△倍
同じ形が見えてきます。
そうなると、あとは何が必要か。
いつでも□や△の数が分かっているわけではないので、○=□×△や○=□+△といった式から、□=~や△=~という形の式が作れるかどうかです。
これ、小4です。
小4で習う『計算の間の関係』が分かっているかどうかです。
ただ、わざわざそこの復習をやらなくても解決できます。
実際に簡単な数字を当てはめてみればいい。
○=□×△ ⇒ 10=2×5
○=□+△ ⇒ 10=3+7
2を求めたいなら10÷5、つまり□を求めたいなら□=○÷△をすればいいんだ。
3を求めたいなら10-7、つまり□を求めたいなら□=○-△をすればいいんだ。
文の形は簡単なのです。
ただ、『5/4は□の5/8倍です。』とか『3.5は4.2の△倍です。』のように、目を背けたくなる分数や小数がいるから難しく感じてしまう。
国語なんて好きじゃないっていう私が、算数・数学の文章は単純と言っているのです。
たいした文章ではありません。
分数や小数へのストレスがなくなれば、スッと解けるようになると思います。
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