国語の力をつけてほしい。
そう望んでいるご家庭が多くあるのをヒシヒシと感じます。
特に自分の子供には西湘以上の高校に行ってほしい(行きたい)といった熱意のある家庭からは特にです。
ぜひともそうした気持ちに応えたい。
その一心でいろいろな取り組みをしているところですが、ここのところそれが特に小学生で形になって表れ始めてきたように感じます。
エコール学院に来て国語の授業を受けている小学生は、毎回漢字テストと一緒に短文づくりをしています。
短文づくりのルールはいたってシンプル。
漢字テストで出てくる言葉を使って、短い文をつくるだけです。
テーマや内容は完全に本人たちに任せます。
字数の制限もほぼありません。
こちらがするのは、主語と述語が一致しているかとか、接続語は正しく使えているかなどの文法的なチェックをするのみです。
無味乾燥な短文を作っても何も文句はいいません。
「短文を作る」という条件はクリアしていますからね。
ところが、こども、特に小学生の創作意欲はこちらが考えている以上に満ち溢れているというのが普段の取り組みで分かります。
はじめは十数文字の文を書いて終わっていたような子も、一か月続けていくと何かしらの工夫をしてきます。
ちょっとした物語にしたりとか、書き出しは毎回違うのに同じオチに持って行ったりだとか。ちょっと下ネタ(笑)にはしってみたりとか。
その中でも一番おもしろい取り組みをしているな~と感じるのが、週刊連載推理小説を書いている子です。
この短文づくりのシステムは小説のようにストーリーを続けるのがすごく難しいはずなんです。
なぜかって、テストに出てくる漢字は「生き物」、「社会」、「政治」といった特定のテーマごとに出てくるわけではないからです。
つまり、ストーリーを組み上げるのに都合のいい言葉が毎回出てくるとは限らないのです。
そのハードルをどう乗り越えているかというと、事前にテストにでる漢字を調査して、使えそうな言葉をあらかじめピックアップして、それに沿ってストーリーを作り上げているのです。
すごくないですか?
ちなみにその小説の書き方はすべて本人が考えたもので、僕から一切のアドバイスはしていません。
にも関わらず、自分で解決法を見つけてしまう小学生の発想力と創造力、おそるべしです。
もちろん全員が全員そうしたすさまじい工夫をしているわけではありません。
ですが、全員に共通して伸びてきた良い点が2つあります。
一つは「言葉に敏感になったこと」。
もう一つは「書く側の気持ちに立てるようになったこと」。
です。
単語を使って文を作るにはその意味を知らなければ書けません。
ですから言葉の意味を知ろうと自然と頭が働きます。
結果、以前よりもはるかに言葉の意味について質問を受けるようになりました。
もう一つの方は自分の考えていることやストーリーをいかに分かりやすく伝えるかと工夫をしていくうちに、それが読解にも活かされるようになってきています。
多読は読解力を育てる良い方法の一つですが、さらに書く側にまわることで自分の表現方法と文章に出てくる表現方法をすりあわせることで相乗効果になっているように感じます。
とここまで書いてきましたが、エコール学院は国語の表現教室ではありません。
学習塾です。
成長した成果を数字でも確認したいのが本音です。
と、都合のいいことに9月の末に実力テストを行うことになっています。
夏や普段の短文づくりの成果がどれだけ発揮されるか今から楽しみです。
可能な範囲で、結果の推移もお知らせできたらと考えています。こうご期待です。
この記事を書いた人
- 山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。
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