檄を飛ばす

こんにちは、富水教室の山田です。
先週末、今年度最後の高校入試説明会を行いました。
なぜこのタイミングで最後の説明会なのか、それは、約1ヶ月後に控える第3回定期テストの重要性、これを生徒達に再確認させるためです。

公立入試の4割か5割が、これで決定します。
私立は内申の使い方が異なりますが、こちらもこれでその大半が決定します。
したがって、生徒達には、とにかくこの1ヶ月、内申を上げきってくれ!
そう檄を飛ばしました。

使える時間には限りがある

内申を上げきる。
当然、可能な限りの勉強時間増はして欲しい。
しかし、いくら増やしたと言ってもやはり限りはあります。
そこで、時間の有効活用、これが鍵になります。

数学が苦手だから数学の勉強時間を増やそう。
理科も苦手だから理科の時間も増やそう。
音楽も技術も…などといくらでも増やせる訳ではありません。
トータルで使える時間は限られている訳なので、何かに使う時間が増えたなら、他の何かに使える時間は減少します。
では、どうすればいいのか。

やりたいことは内申点を上げること

自分に与えられた時間を『上手く分配する』、これです。
例えば、ある教科で48点を取った場合と50点を取った場合。
授業態度や提出物といったことを除いて考えれば、どちらも内申は5でしょう。
45点くらいでも、ときには5になるでしょう。
つまり、ある程度余裕で45点以上が取れるだけの力を手に入れたなら、その教科の勉強をそれ以上するより、他の教科の勉強をした方が、内申という点から見たら効率がいいということです。

また、4だった教科が1つ5になるより、3だった教科2つが4になった方が価値があるということ、これも忘れてはいけない。
したがって、単に不得意だからとか、得意教科だからどうしてもこれは5にしたいといったプライドや感情で勉強時間を決めるのは『愚策』であるということです。

もちろん、第3回定期テストの先には入試があるので、定期テストの45点や46点の実力で満足して止まっていていい訳ではありませんが、目先の短期的な戦い方としては優先順を考えるべきでしょう。
1ヶ月後にやりたいのは、数学で50点を取ることではありません。
仮に数学の得点が下がったとしても、9科合計での得点をどれだけ上げるかです。
もう少し言えば、仮に9科の合計点が下がったとしても、その先にある内申が上がればいいのです。

合計得点が下がって内申が上がるなんてあり得るのか。
あります。
断言します。
そういった視点から、この最後のチャンスを使って欲しい。

効率良い時間の使い方

時間の使い方

何で内申が決まるのか、どのように内申が決まるのかを考えて欲しい。
内申の数値を決めるのは、観点のABCです。
それらの数によって、5から1までの内申点が決まります。
そして、その数値には幅があるということも忘れないで欲しい。
同じ数値でも、観点1つ改善できれば1つ上の数値になるもの、逆に、観点1つでも悪い評価になっただけで1つ下の数値になってしまうものがあります。
それを考慮して、勉強時間の割り振りや質や量を決めて欲しい。

例えば、観点1つ改善するのに1時間の勉強が必要だとしましょう。
数学は観点3つ改善してようやく内申の数値が1つ上になる。
理科と社会と美術は、観点1つ改善したら内申が1つ上がる。
このような場合に効率よい時間の使い方はどれなのか。
3時間勉強してたった1つしか上がらない数学にその3時間を使うより、理科と社会と美術の勉強を1時間ずつやった方がよっぽどいい。

時間をつくる

また、考え方を変えると、こういう時間の捻出法もある。
上の例、数学の状況だけ変えてみよう。
数学、観点が2つ悪くなったら内申が1つ下がってしまう状況だったとしよう。
これ、言いかえれば1つなら観点が悪くなっても内申は変わらないということである。
観点1つの改善を1時間の勉強として話をしているので、この数学、1時間勉強時間を減らしても大丈夫ということになる。
そして、このように捻出した1時間を、理科か社会か美術に使えば、内申のトータルポイントを上げることができる。

持っている時間には限りがある。
その限りある時間で内申を上げきるには、こういった戦略が必要だ。
このように上手く時間を使っていけば、仮にテストの得点が下がったとしても、本当に欲しい内申点を上げることは可能だ。

オール5を取った生徒

3年ほど前だったか、高3のある生徒がオール5の内申を持ってきた。
その生徒とは、テスト前にこんなやりとりをした。
Aくん:「これ、もういいや(この教科、もう勉強しなくていいや)。」
私:「もういいって、勉強しないってこと?何で?」
Aくん:「いいよ。面倒だから。」
私:「まだテストまで日にちがあるんだからやりなよ。」
Aくん:「いいよ。ここまでやっておけば5だよ。どうせ5だし、これ以上やっても変わらないなら他やった方がいいよ。」
私:「そうか。じゃあいいよ。」

この生徒には、高校入学前から『指定校推薦で大学に行くぞ』と言ってあったので、私が話していたことを充分すぎるほど理解していたのでしょう。
中学の頃は、美術の先生がムカつくから美術の課題は絶対に出さないなどと言って本当に1度も提出しなかったような生徒だったので、何が本当に自分にとってラクなのか、利益があるのかを悟ったのでしょう。
ちなみにこの生徒、「もう95点はいいよ。卒業までに100点を取ってきてよ。」と私がお願いしたら、「分かった。」と言って本当に100点を取ってきてくれた。
どこまでやればどんな結果が出せるのか、最後はそこらへんまで分かったのでしょう。

まとめ

内申を決めるのは観点のABCです。
だから、私は必ず生徒達に通知表を持って来させます。
英語がいくつ数学がいくつ、合計がいくつ、そんなものは二の次だ。
どの生徒にはどの科目にチャンスがあるのか、どの科目は注意が必要なのか、それを確認し伝える。
内申を上げるためには効率の良い時間の使い方があると分かったなら、是非この1ヶ月間、上手く時間を使って内申を上げきって欲しい。

この記事を書いた人

山田 明史