急いで下さい。
慌てて下さい。
こんにちは、富水教室の山田です。
中学3年生の皆さん、そしてその保護者の皆様、あるタイムリミットが迫ってきていることにお気づきでしょうか?
目次
11月中に私立高校の受験校を決めなければいけません
この11月中に、私立の受験校を決めなければなりません。
どんなに遅くとも、12月上旬には決めて『打診』をしておかないと、受けることができなくなってしまいます。
もうほとんどの中学では、高校入試に関係する最後の定期テストが終わったと思います。
そして、今日にも明日にも内申が確定します。
公立高校の願書出願期間は1/28(木)から2/1(月)、そして、志願変更期間が2/4(木)から2/8(月)です。
私立高校も一般入試の出願期間は1月下旬です。
受ける学校を決めるの、公立も私立もまだまだ先じゃん。
ではないんです。
神奈川県の高校入試って、ちょっと特殊なんです。
オープン入試と言われる一部の入試を除いては、12月の中旬に『打診』をしておかないと、私立高校は受けられなくなってしまうのです。
打診という言葉が正式名称ではないので、『相談』という人もいるかもしれません。
内容としてはいたって簡単です。
中学校の先生が高校へ「うちの○○って生徒が、この成績(内申)で、おたくの高校を単願(または併願)で受けますよ。」って連絡するだけです。
何だそんだけと思うかもしれませんが、この簡単な手続きをしておかなきゃダメってのが、神奈川県流なんです。
受けたいからって受けられる訳ではありません
そしてもう1つ言っておくと、ただ受けたいって言っても、「君はダメ。」ってことありますので、ご注意下さい。
公立高校と違って、誰でも受けられるって訳じゃないんです。
私立高校には、各学校で定めた受験基準があるのです。
その基準に満たない場合には、受けることができないのです。
基準の核となるのは内申です。
英検や漢検、数検などの検定で3級以上を取得していたり、生徒会の役員だったとか、部活では部長だったということも加味されたりしますが、それは1ポイント2ポイントのはなしですし、全ての学校でそれを加味してくれるという訳ではありません。
基本、内申が足りていなかったらダメと思った方がいいでしょう。
Aくん:「○○高校を受けたいです。」
先生:「難しい(ダメだ)ね。」
Aくん:「じゃあ、○○高校にします。」
先生:「うーん。そこも難しい(ダメだ)ね。」
先生:「○○高校や○○高校はどうだ?」
Aくん:「そんな学校知らないです。」
こんなやりとりになるかもしれません。
もしここで、どうせ公立が第一志望だし、どんな高校だかは知らないけど、学校の先生が言ってきたからそこでいいや、なんて感じで決めたら最悪です。
私立が第一志望の生徒だったら、自分が受けることができる学校の中から真剣に選ぶでしょうが、公立を第一志望と考えている生徒の場合には、その場のノリで決めてしまうという恐ろしい事態が想像できます。
むしろ、公立を第一志望と考えている生徒の方が、真剣に全力で考えなければいけません。
公立に受かる保証なんてどこにもありません。
もし本命に合格できなかったら、その私立に通うことになるのです。
真剣に考えて、万が一があった時、ここなら納得して進学できるという学校でないと、とてもとても3年間なんて通えません。
最悪、途中で高校を退学することになるかもしれません。
そんな大事な進路決定を、1日2日でパッと決めていいと思いますか?
中学の先生に、明日までにどこを受けるか決めなさいって言われたから、あまり考えないで決めちゃいましたでは困りますよね。
だから、今日にも明日にも確定する内申を見て、今すぐ候補をいくつか決めておかなければならないのです。
私立高校の基準、これは誰でも分かるように公開されている訳ではありません。
中学校の先生達や我々塾の先生達は分かりますが、基本的に皆さんは分かりません。
したがって、ここを受けようと考えているんですけど、受けられるでしょうか?といったやりとりを、中学校の先生と何度かして決めなければなりません。
もちろん、塾に通っている生徒の場合には、各塾でそれはやってくれるはずです。
12月になったら打診日まで2週間ほどです。
必ずこの11月中に決めて下さい。
単願と併願による受験基準の違い
さて、せっかく私立高校の打診という入試についての話を書きましたので、もう少し、入試について触れておきましょう。
私立高校には基準があるという話をしたので、それに関することをお伝えしましょう。
『単願(専願)』と『併願』の違い。
言葉の意味はいたってシンプルです。
1つだけ受けるか、2つ以上受けるかです。
単願と併願で知っておいて欲しいのは、それによって基準が変わるということです。
同じA高校を受ける場合、単願の方が基準が下がります。
例えば、単願なら内申102あれば受けられるけど、併願だと116以上ないと受けられないといったようになります。
高校側の立場になって考えれば分かると思いますが、単願の生徒は合格したら必ず入学してくれる生徒ですが、併願の生徒は合格したからといってその高校に進学するとは限りません。
どうなるか分からない生徒に対しては、受験基準を高くしているのです。
したがって、私立が第一志望という場合には、公立と併願するよりも、その私立を単願で受けた方が断然受かりやすいということになります。
公立と私立、あなたはどっち派
ここまで私立の話ばかりだったので、公立と私立、けっきょくどっちの方がいいのってことを考えてみましょう。
パッと思いつくそれぞれの特徴としては、公立は費用が安いとかカリキュラムがゆるやか、私立は費用が高いとか授業のペースが早いといったところでしょうか。
誰もがパッと思いつくものですが、やはりこれが大きな違いで間違えないと思います。
公立高校は、県や市が全ての生徒が標準以上の教育を受けられるようにと設置したものです。
費用が安くて当然ですし、勉強以外にも様々なものを求めている生徒達が集まってくるので、部活などとの両立が上手くできるように余裕を持ったカリキュラムになっています。
それに対し私立高校、私立は、勉強面や運動、芸術といった各分野のエキスパートを育てようと、個人や学校法人が、通学する生徒の家庭から費用を集め施設を充実させています。
したがって、必然的に費用は高くなりますし、勉強はペースが早く、部活動なども厳しくなります。
つまり、公立と私立どっちがいいではなく、自分が高校に何を求めているのか、その先何をしたいのかを考えて、その求めるものを叶えるには、どちらがよりよいのか、どこの高校がよりよいのかといった視点で決めていくというのが、大事になります。
またこの高校選び、単に公立、私立ということでは決められないと思います。
同じ公立でも同じ私立でも、学校ごとにそのカリキュラムや校風は異なります。
したがって、実際にその学校のカリキュラムや校風、通学時間などを調べて判断しないといけません。
大学進学を考えている生徒は、進学実績もチェックが必要です。
高校生活の過ごし方
大学進学については、もう1つ考えの中に入れておかなければならないことがあります。
それは、どのようなルートでそこへ行くかです。
今回話すどのようなルートかというのは、先週少し触れた指定校推薦やAO入試といった入試システムのことではありません。
高校生になってから塾に通うのか通わないかという点です。
上記の公立、私立の特徴だけを読めば、大学進学を考えたら最善は私立と感じるかもしれません。
しかし、『私立に通いながら塾にも通う』、『学校(私立)だけ』、『公立に通いながら塾にも通う』、『学校(公立)だけ』など、3年間の過ごし方に選択の幅があります。
『私立に通いながら塾にも通う』、これが最強かもしれませんが、これは誰でもできるといったものではありません。
そうなると、『学校(私立)だけ』、『公立に通いながら塾にも通う』での戦いになるのではないでしょうか。
ここも、そう簡単には結論は出せないと思います。
費用的にどちらがというのもあるでしょうが、その子がどんな性格なのかにも関係してきます。
自分で主体的に動ける生徒なら『学校(私立)だけ』でいいかもしれませんが、指示待ち姿勢の傾向にある生徒の場合には、管理してくれる人がいる塾を併用した『公立に通いながら塾にも通う』の方が、大学進学に近づくと思います。
不測の事態への対応もチェック
学校選択、今年は大学進学のことだけでなく、やはり不測の事態が起きた時の対応というものもあると思います。
公立では、試験当日にもしコロナでテストを受けることができなかった場合には、別枠で対応するという対応をします。
私立は学校により対応は違いますが、集団面接を中止にしたり、単願の生徒はテストをせず書類選考だけで合否を決めたりといった対応をしています。
3年間子供を預けるところなので、勉強や部活といったことだけではなく、安心して預けられるかという点も大きいと思います。
最後に、直前で触れたテストは受けさせず書類選考だけでということについて、注意をしておきたいことがあります。
それは、子供達から見た時のこの対応の見え方です。
誰しも受験勉強はしたくない。
1日でも早く合格が決まり、勉強から解放されたい。
そう思うものです。
そうすると、保護者の方々からすると親切に感じられるこのシステムも、そういった生徒からすると『勉強しなくていいからラッキーじゃん』になります。
1月下旬に願書を出しそこで書類選考で決まった場合、その子、そのあとの2ヶ月間何もやらなくなります。
勉強は、高校合格で終わりではありません。
大学などその先に進学しない生徒でも、高校の3年間はついてきます。
2ヶ月間何もしなかった生徒と、入試勉強を2ヶ月間続けた生徒、その差は計り知れないほど大きなものになります。
そういった対応、システムがあるわけなので、それを選択するのは自由です。
ただ、そこで歩みを止めてしまうと、高校生になってから茨の道が待っています。
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