勉強は夜にやれ
夜更かし上等。

こんにちは、富水教室の山田です。

勉強をする理想の時間帯はいつなのか?
堅苦しく言ってもしょうがないので、朝か夜かってことです。

理想の勉強の時間帯

まあ、きっと理想は朝なんでしょうね。
夜型の人に朝型の方がいいよとは聞きますが、朝型の人に夜型に変えた方がいいよなどとは聞きませんからね。

脳科学者の茂木健一郎さんも、朝起きてからの3時間が脳のゴールデンタイムだと言っていますし、やはり理想はそうなんでしょう。

睡眠の面から見ても、22時から2時にかけてが睡眠のゴールデンタイムと言われています。
これは、成長ホルモンが最も分泌される時間帯だからです。
睡眠時間、睡眠をどれくらい取るのかという点で見ると、長期的には7時間の睡眠がベストとされています。
したがって、22時前に布団に入り朝5時を過ぎたら起きるというのが、最も健康的な生活リズムということになります。
このリズムでいけば、朝学校へ行く前に2時間は勉強することができます。
ちなみに睡眠時間ですが、長ければ良いってものではありません。
この7時間から前後すると、短くても長くても寿命が縮まるそうです。
寝過ぎは健康に悪影響を及ぼすってことです。

また、記憶というメカニズムを見ると、脳は起きている時に入手した情報を、寝ている間に勝手に整理整頓してくれます。
だから、ちゃんとした睡眠を取るということもやはり大切なことです。
よく、寝る前に暗記ものをやると効果的と言われるのはこのためです。

次の日のテストのために徹夜で勉強、これは短期記憶としてはいいかもしれませんが、一瞬で消え去る記憶です。
受験生達がやりたい長期記憶、これにはなりません。

この様に、勉強時間とか睡眠時間といったものを検索すれば、早寝早起きの勧めやメリット的なものはいっぱい出てくるでしょう。

現実の勉強の時間帯

そんなことは百も承知で、私はこう叫びたい。
勉強は夜にやれ!
おいおい、塾の先生が何言ってんだと思う方もいるでしょう。
しかし、多くの学生の場合、ハッキリ言ってこっちの方が理に適っています。

先ず、そこの君、早起きなんてしないだろ

起きようと思ったんですが、起きられませんでした。
また、仮に起きたからって、眠い眠いと言って勉強なんてしないだろ。
今日は起きられました、今日は眠かったけど頑張りました、それじゃ意味がないんだよ。
とにかく、何があっても必ず毎日やる、1分でも1秒でも多くやる、それじゃなきゃ受験は戦えないんだ。
ああだこうだとグズグズ言って、結局は時間が確保できない、コンスタントに勉強ができないってのがオチだ。
そんなぐらいだったら、端っから朝に勉強のスケジュールを組むのではなく、確実に起きている時間に組みなさい。

もちろん、起きている時間なので、学校から帰ってきてからの夕方やゴールデンタイム(19時~22時)と言われる時間帯でも構いませんよ、誘惑に負けず毎日必ずやるなら
テレビとか見ちゃったりするんじゃないですか?
マンガだドラマだ・・・なんて言って。
君が見なくても、兄弟が、そして両親が見るんじゃない?
せっかく自分が我慢して勉強しているのに、兄弟(子供)ならまだしも親がテレビを見ていたら、しかも、そこで大きな声で笑ったりなんてしていたら、『イラッ』とするんじゃない。
そんな精神状態になったら、その勉強、まず頭には入らないよね。
お前は受験生なんだから、お父さんやお母さんだって学生の頃は、そんなこと言われても聴く耳持たないでしょ。

じゃあ、いつが落ち着いて勉強ができるのか。
そして、毎日確実にその時間が確保できるのはいつなのか。
夜しかないだろ。
大前提として自分が起きていて、周りが静かで、必ず毎日ってなったら、夜しかないだろ
だから、勉強は夜にやりなさい。
22時前に布団に入っても、どうせ寝付けないとか、スマホをいじってたら0時を越えちゃいましたってのが現実じゃない?

朝や夕方、起きられたなら、誘惑に負けなかったら、勉強して下さい。
1分でも1秒でも多く勉強はやりたい。
だから、増える分には一向に構いません。
しかし、有るのか無いのか分からないその不確かなものを主軸としてスケジュールを組むのは、まったく得策ではない
半数の中学生は、その予定した半分も時間確保ができないでしょう。
さらに、周りが気になってなど、心はどこか他に行ってしまっての勉強となれば、その質も疑わしいものだ。

理想を唱えても、それが実現できなければただの戯言
自分がどういう人間なのかを理解して、現実的な手段を取りなさい。

夜型応援団

せっかくなので、夜型に対してプラスの研究結果についてを書いておきましょう。

イギリスのある研究チームの発表によると、朝型と夜型の違は、遺伝子によって決まるそうです。
そのため、どんなに努力したからといっても、自分のタイプを変えることはできないそうです。
つまり、無理に朝型にしようとしても無駄ってこと。

またアメリカの研究チームの発表によると、夜遅くまでスマホを見ているなど睡眠の質が悪くなるような生活をしている場合を除いては、普通に生活をして集中力も問題なく仕事もしっかりできているのであれば、わざわざ夜ふかしタイプの人が朝型に直す必要はないとしています。
その理由としては、遺伝子的には夜更かしタイプの人のほうが優れているという研究が多く出ているからだそうです。
アメリカの若者を対象に行った実験では、夜ふかしタイプの人のほうがIQが高いということがわかっています。
何と、早寝早起きの遺伝子を持っている人よりも夜ふかし型の遺伝子を持っている人のほうがIQが高いそうなのです。

計画的な勉強の理想と現実

理想と現実の違いとしては、計画的な勉強というものもあるでしょう。
これも、やはりできない生徒が多い。

理想的な勉強計画

◇月曜日
 英語(1時間)…テスト範囲の『単語テスト』をします。
        ここで覚えていなかったものを、テスト当日までに暗記します。
 国語(1時間)…『食感のオノマトペ』と『月を思う心』の演習をします。
 社会(1時間)…『世界各地の人々の生活と環境』の勉強をします。

◇火曜日
 数学(2時間)…『方程式(計算だけではなく文章問題も)』の演習をします。
 理科(1時間)…『いろいろな物質』と『気体の発生と性質(前半)』の勉強をします。

◇水曜日
 英語(2時間)…『重要表現のテスト』と、『PROGRAM6』の演習をします。
 社会(1時間)…『アジア州』の勉強をします。

◇木曜日
 数学(2時間)…『関数(応用も含め関数全部です)』の演習をします。
 理科(1時間)…『気体の発生と性質(後半』と『物質の状態変化』の勉強をします。

◇金曜日
 英語(2時間)…『PROGRAM7』と『POWER-UP5・6』の演習をします。
 国語(1時間)…『竹取物語』の演習をします。

◇土曜日
 英語(1時間)…『PROGRAM8』と『POWER-UP7・8』の演習。
 国語(1時間)…『故事成語-矛盾』の演習。
 数学(1時間)…『図形の移動』の演習。
 理科(1時間)…『光の性質(凸レンズの前まで)』の勉強。
 社会(1時間)…『ヨーロッパ州』の勉強。
 技術(1時間)…テストまでに覚えなければならない用語まとめ。

◇日曜日
 英語(1時間)…『Word Web3』と『My Project2』の演習。
 国語(1時間)…『文法』の演習。
 数学(1時間)…『基本の作図』の演習。
 理科(1時間)…『光の性質(凸レンズ)』の勉強。
 社会(1時間)…『アフリカ州』の勉強。
 家庭科(1時間)…テストまでに覚えなければならない用語まとめ。

これは、第3回定期テストの時に、私が中1用に作成した試験対策期間前半1週間の勉強計画です。
計画を立てて勉強をしていくとは、こういうことです
ただその日にやる教科を決めておくだけではなく、どの単元をやるのかといったことも細かく決めておかなければ、時間が無かったから◯◯はできませんでしたといったように、必ず漏れが出ます。

エコール学院では、定期テストの約1週間前に『達成度確認テスト』を行っています。
これは、我々が各中学校の試験範囲に合わせて作成したテストです。
約1週間前に実施する意味は、そこで各自の状況をチェックして、仕上がりの悪いものを残りの期間で調整させるためです。

つまり、達成度を受けさせる段階で、試験範囲でまだ勉強をしていないという単元があっては意味が無いということです。
したがって、このスケジュールを超えるペースならともかく、これに遅れるということはあってはならないのです。
だから、これを提示してそれに沿って進めさせました。

現実的な勉強計画

しかし、ここまでのスケジュール作成を、中1全員にやらせるのは理想でしょう。
スケジュール作成だけで1日を使ってしまうといった子もいるでしょうし、できないという子も出てくるでしょう。
定期テスト前の貴重な2週間、その1日を、それだけで終わらせてしまってはもったいない。

そうなると、細かなところまで考えるのではなく、いつどの科目を勉強するのか、1週間のうちどの科目は何時間勉強するのかといったザックリとした予定だけを立てさせて、とりあえずスタートさせた方が、より多くの勉強時間を確保できたりします。

定期テストと違って長い戦いの受験
これは、計画無くして成功はあり得ない
しかし受験生達も、その日の気分でただ闇雲にやるのはいただけないが、グズグズ言ってる暇があれば先ず手を動かせ
効率が悪いと感じたら、その時に修正すればいい。
効率が悪いと感じるにも、先ず実際に動かなければ、それを感じることさえできない。
何かを考えるなら、風呂に入っている時でもトイレに入っている時でもできる。
そこである程度方向性やヒントが見つかったら、ちゃんとした計画を立てればいい。
とにかく、動いてくれ。

この記事を書いた人

山田 明史