先日夜型代表格のYMDが学習時間についてキレッキレのブログを書きましたね。
今までさんざん睡眠時間に関するブログを書いてきた、睡眠時間のオーソリティ(?)としては黙ってはいられません。ここはカウンターとなる記事を書いて意見を戦わせておこうと思います。
ちなみに今まで書いた睡眠時間関連の記事(笑)はこちらです。
中学生だって夜更かしNG!中学生の睡眠時間と学習の関係を考える
寝る時間遅すぎ!?小学生の睡眠と学力への影響を考える
子どもの学力を心配する前に寝る時間を何とかしません?
休校期間で崩れた生活リズムを治すたった1つの特効薬
我ながら多すぎる。
目次
朝型か夜型は習慣である
YMD先生は先日の記事で明らかな「夜型派」の立場でした。とても興味深い意見でしたし、引用していた学術的な意見はどれもよく存じています。ほら、睡眠時間のオーソリティですから。
かくいう僕もそれはもうゴリゴリの「夜型」。平均就寝時間が3時頃ですから、生徒に「早く寝なさい!」なんてどの口が言えたものかと我ながら思います。
独身時代は夜中は活動して明け方寝て、午前中に寝ていたモグラのような生活でしたからね。まさに夜型のお手本のようなリズムです。ダメな方のね。
そんな僕ですが、高校までは夜型ではありませんでした。だから、遺伝子レベルで夜型や朝型が決まるのは事実なのかもしれませんが、それより重要なのは生活の習慣でしょう。
つまり、早く寝るのに慣れている子は早く眠くなりますし、夜更かしに慣れている子は眠くならない、それだけの事です。
勉強時間を確保できればいつでもいい
勉強時間を充分に取れていれば、いつ勉強をしても構いません。
朝から早く起きて勉強する習慣があるならそれで良いですし、夜0時近くまで勉強するのが当たり前になっているならそれも良し。どちらも勉強している事に変わりないですからね。
受験生に話を絞るなら、1日4~5時間の勉強時間を確保したいところ。もちろん学校以外で。
それを可能にする理想的なスケジュールは、17時~23時の間に4~5時間勉強すること。
そんな理想通りに行くかって?まあ行かないことが多いでしょうね。だから同じ受験生でも差がつくんです。
17時に勉強を始めるには、学校から帰ってからノンビリしたいのをガマンしなければいけません。現代っ子はむしろテレビなんかよりYoutubeやSNSの方がよほど勉強の妨げになるでしょう。
受験生なのに好きなことをしたいようにしているなら、理想的なスケジュールは不可能です。ならば、志望校は諦めるしか無いのでは?志望校に行くより今楽しいことをしたい!と自分でそれを選んでいるわけですしね。
やりたいことをガマンして勉強している子と好き放題やっている子、どちらが勝つか比較するのも失礼な話。
ウチの中3生の半分以上が17時すぎから塾に来て勉強をしているのを毎日見ていますから、決して無茶なことではないと思いますよ。
睡眠不足はダメ
ただ、どれだけ勉強をするにしても、唯一削ってはいけないのは睡眠時間です。
諸説ありますが、平均すると7時間前後の睡眠が良いとされているようです。0時までに寝れば、7時までグッスリというペースですね。いいじゃないですか、これで。
YMD先生と僕の意見が異なるところは、「朝型」の定義です。僕は朝きちんと起きることが「朝型」だと考えています。僕は毎朝8時に起きていますが、スッキリ起きていないので「朝型」ではありません。残念。
小さい頃からの習慣で朝机に向かうのが当たり前になっている子はそれで良いです。そうでない子が無理矢理早く起きて朝から勉強を頑張るのは、むしろ不自然だと思います。
となると、朝勉強するのが「朝型」というパターンには、ほとんどの子が当てはまらないでしょう。大多数の子は朝までしっかり睡眠を取った方が良いですよ。
勉強は必然的に夜やることになる、これはYMD先生と同意見。
ですが、0時を過ぎた分はすべてマイナス、借金だと思っています。全ては始める時間が遅いからずれ込んでいるだけです。
寝不足は能力が落ちる
そもそもこのブログを書こうとした理由が、自分自身の睡眠不足で大きな能力ダウンを実感したからです。
僕はよく小学生が解いている計算ドリルを一緒にやるのですが、危うく負けそうになった日がありました。普段なら足し算の筆算を眺めると、何となく答えが分かります。まあ生徒からしたらチートです。
寝不足の日は、筆算を眺めてもただの数字にしか見えません(普通)。7+8を見た瞬間脳内に5が浮かんできません。小学生と何ら変わらない状態まで能力が落ち込んでしまいました。本当に焦りましたね。
やはり寝不足はダメです。こんな頭の働かない状態で学校の授業を受けている生徒がいるかもしれないと思うと、ゾッとします。
睡眠不足で昼寝は最悪
睡眠時間を確保するには、起きる時間を遅くするにも限度がある(遅刻します)ので、どうしても早く寝ないといけません。2時とか3時に寝ていたら、どうあがいても7時間寝られません。
早く寝る習慣をつければ良いだけなのに、「早く寝ようとしても寝付けないんです」なんて言い訳をかざしてダラダラ遅くまで起きている子、いますよね。毎日試せよ、と思います。
こうなると、睡眠不足は必至。そこで次に取る手段は「昼寝」だったり「夕寝」だったりします。
昼寝のデメリットは2つ。1つは夜型を加速させる点。もう1つは脳のリセットです。
眠い→昼寝する→スッキリ→夜遅くから勉強スタート→深夜に寝る→朝絶不調→昼間眠い→昼寝する、の無限ループ。完全に昼寝がムダです。昼寝をやめない限り生活リズムを整えるのは不可能でしょう。
また、学校生活でせっかく暖まった脳が、昼寝によって完全にリセットされてしまいます。朝の寝ぼけた状態に戻るということですね。
シエスタのような15分程度の短い昼寝は作業効率を高めると言われていますが、1時間を超えるような睡眠をしてしまうと、起きたときの爽快感よりダルさが勝るのは多くの人が感じるところ。
さっさと悪循環を断ち切って、夜にまとめて長く寝るように生活を改善した方が合格へ近づくと思うのですが……
入試は朝からということ
先日生徒と面談をしていて、こんな事を言ってきた子がいました。
「模試のとき、朝一の英語は全く頭に入ってこなかったです。あとで解いたら大した問題ではなかったんですけど」
確かに、あまり得意ではないことを差し引いても、午前の2科目はあまりに奮っていません。この子がまさに「夜型」の典型例みたいな生活をしているのです。
入試のシミュレーションである模試が朝一から始まるように、本番の入試も当然朝から始まります。
入試の時間は変えようがないわけですから、自分のリズムをそこに合わせる以外解決法がありません。
だから、早めに寝て朝しっかり起きられるようにするしか無いんですよね。
まとめ
入試まであと2ヶ月半という12月現在なら、まだ深夜に勉強するのは許されます。もちろん勉強をしないよりした方が良いのは確かなので、自分のやりやすいようにすればいいでしょう。
でも、朝から始まる入試にコンディションを合わせないといけない。
極端に早く起きなくても良いけど、睡眠時間はしっかりとらなきゃいけない。
寝る時間が遅くなりすぎないようにしつつ、勉強時間を確保するには、勉強の開始時刻を早めなければいけない。
まとめると、最初から言っているとおり17時~23時の間に4~5時間勉強する以外に選択肢はありません。
睡眠も取れる、勉強も出来る、体調も安定する、朝から頭も働く。
出来るだけ早い段階でこのペースを身につけることをオススメしたいですね、合格したいなら。
この記事を書いた人
- 指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
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