こんにちは、富水教室の山田です。

今年の入試問題、どうなるのでしょうか?
数学は、昨年問題構成が変わり、大問の数が7から6になりました。
数学は変わったばかりということもありますが、何より、各教科範囲が変更になるなどのバタバタがあった年なので、どの教科も問題構成は変えてこないでしょう。

数学で鍵を握る問題

では、数学の鍵はどこなのでしょうか。
問3、ここでしょう。
昨年大きく変更になったのが、この問3です。
もともと小問集合などと呼ばれ、あっちこっちの分野からの問題が集まっていたところです。
そこに、昨年からそれまで問7で定番だった証明も加わり、よりゴチャゴチャになってきました。

ちなみに、証明の問題だけを見れば、3年前から全記述ではなく穴埋めになったので易しくなっています。
しかし、安易な穴埋めプラス、少々厄介な平面図形の問題という構成になっていて、この図形の問題で時間を使います

また、証明問題とセットになっているものとは別の平面図形の問題も出題されます。
そして、これが更に厄介。
なんと正答率が一桁、5%や3%、2%といった超難問だ。
正答率2%ということは、合格した生徒を100人集めてもその中に正解した生徒が2人しかいないということ。
このような問題が、ここに出るのです。
問題に星印などがついていて、その数が多いと難しいなどとパッと見てこれ難問ですと分かればいいが、もちろんそんなことはありません。
つまり、100人中2人しか解けないわけなので、98人の生徒達はとりあえず解いてみようと取り掛かり、ある程度時間を浪費して、これはダメだと次に進むことになるのです。

資料の活用の問題、これは必ず出題されると決まっているわけではありません。
ただ、これまでの模試などを見ていると、今年も同じ様な問題が出るのではないかと思います。
そしてそして、これがまた出たら面倒くさい。
問題的には、ただ情報処理をしていくだけで解けるので難しくはないが、必殺技が存在しない
昨年の問題は、予備知識があると少しだけ時間短縮にはなったが、関数や空間図形の問題のように劇的に短時間で解くというすべがない。
数学で貯金をつくりたいという生徒も、50点くらいを目指しているという生徒も、同程度の時間がかかってしまう。

時間、そうこれが問3のテーマだ。
その先に待ち受ける関数、確率、空間図形といった大問に十分な時間を確保するには、この問3で無駄な時間は使いたくない。
しかし、どれもこれも時間がかかる危険があり、更にはけっきょく解けないという可能性もある。

問3でもう1つ気になる問題がある。
それは、方程式の文章問題や関数の利用の問題で、式をつくる、式を答えるというものだ。
問2あたりで出題される等式・不等式の問題も含め、式をつくれない生徒が多すぎる。
これは、数学が苦手ということだけではなく、半分は国語力の無さだろう。
昨年の正答率は約21%、一昨年にいたっては約7%だった。
確かに一昨年は、普段式をつくるときとは逆のものをxとしなさいという指示があったとはいえ、内容は中1レベルの問題だ。
定期テストに出てもおかしくないというような問題なのだが、どうもできない。

この問題も含め、解けそうで解けないといった問題が点々としている
解けそうだからとチャレンジしてみたが、けっきょく解けない。
この問3、人によってはその繰り返しになるかもしれない。

西湘の平均点を取るためのオススメな解き方

ということで、改めて西湘高校くらいの学校に合格するためには、どの問題をどの順番で解けばいいのかを考えてみたい。
得点でいうと昨年レベルの難易度なら62点、一昨年レベルの難易度なら55点くらいだ。

毎度のことだが、問1と問2は全部正解して下さい。

そして問3、ここが鍵だ
55点~62点というラインを考えるなら、ここで勝負に出てもいいだろう。
証明の穴埋めだけやったら残りの問題はパス

次は問4の関数、ここは(イ)まで正解して欲しい。
直線の式を求めるだけだ。
もっと状況を言ってしまえば、2点の座標が分かっているパターン。
それが、ただ数値が分数になっているというだけ。
問3に散らばっている『何がでるのかな?どうやって解くのかな?』という問題と違い、方向性が決まっていて練習もやりやすい。

そして次は、問5の確率をパスして問6の空間図形の(ア)。
長い説明文が書いてあり、どんな操作・規則性なのかを読み取らなければならない確率より、体積や表面積を求めろという空間図形の(ア)の方が、やはり方向性が分かりやすく練習もやりやすい。
どこかの長さを一ヶ所求めるために三平方の定理を一度使えば、事足りるはずだ。

この順番でいけば、必要以上に時間がかかるとか、時間をかけたのに解けなかったといったロスが最小限にできる

さあ、ここまでで何点になるのか。
昨年ならこれで56点、一昨年の問題で考えると52点だ
ちなみに、昨年と一昨年では難易度が異なる。
昨年の問題の方が易しくなり、平均点は5.4点高くなった。
つまり、それを加味すれば同程度の得点ということになる。

この56点や52点がどんな得点なのか。
昨年の県全体での数学の平均点は55.7点、一昨年は50.3点、つまり、これで平均を超えている
平均点くらいが取れればいいという生徒なら、もはやここまでやったら見直しでもいいだろう。

では西湘への一押し
パスしてきた問題の中で注目したいのは3問。
1つは、問3で出る可能性が高い資料の活用の問題だ。
もう1つは、問5の確率の(ア)
そして最後は問3で出る可能性がある、式をつくるという問題
これらの問題の配点は5点か6点、つまり、どれか1つでもできれば西湘の平均点、2つできれば貯金ということになる。

ではこの3つの中でどれがオススメか。
着手してできるできないの可能性が最も低い『資料の活用』、これが本線だ。
問3で出題される面倒な問題と紹介したが、それは、問いの1から順番に全ての問題を解いていくという前提での話。
時間をかけて数える、チェックするといったことくらいで解けるこの問題で、まず西湘クラスの平均点になろう。
ただし、1つだけ忠告しておく。
ここは『ゆっくり』やりなさい
確実に1つ1つの情報をチェックしていくこと。
問題的に、劇的に時間短縮できる技がないこの問題。
見直しややり直しをする時間は超ロス。
せっかくここまで無駄な時間を使わずにというルートできているわけなので、そのロスはそれまでの行為を水の泡にする。

次は甲乙つけがたいので、場合によって分けよう。
もう本当にあと1つでいいというなら、問5確率の(ア)。
これで、西湘クラスの学校の平均点より、5点から7点上になる。

まだ時間があり、出来る限り加算したいという場合には、先に問3の式をつくる問題。
西湘クラスの話をしているわけなので、中1程度の方程式や関数の式ならつくれるはずだ。
仮に今できなくても、入試までの期間練習すればできるだろう。
そして、それが終わったら問5の確率をやる。
この順番で行けば、確率の(ア)を解いた後、そのままの流れで確率の(イ)を考えることができて効率がいい。

最後に

難しい問題を1つでも多く解けるように勉強する。
それは当然。
ただ、入試で最も大事なのは、安易な問題で間違えないこと
自分が解ける問題を確実に得点にすること。
多大な時間をかけて難問を解いても、安易な問題で間違えては意味が無い。
家に帰ってやり直したらできたのに。
そんなことが無いようにしなければならない。

この記事を書いた人

山田 明史