白鴎中はテストまで一週間を切りました。
山王教室担当の陌間です。
昨今、様々な塾がある中で「テスト対策」はどの塾にとっても目玉というか中核を為すコンテンツの一つです。
その方法は対策授業をする塾、対策プリントを配布する塾など塾によって様々です。
で、エコール学院は何をするかというと
テスト2週間前から教室に毎日(平日)来てひたすら自学
です。
そして基本的に与えるのは勉強管理用の「レコーディングノート」の一冊のみです。
え?それだけ?
と思う方もいるでしょう。
うちの子は自分じゃ勉強できないから万全の対策カリキュラムと対策テキストを用意してほしい。
と思う方もいるでしょう。
そして生徒自身も、特に初めてのテストを迎え、どうやって勉強したらいいかわからない中1生もそれを望む子は多いと思います。
そういう需要があることは知ったうえでウチがする対策は
テスト2週間前から教室に毎日(平日)来てひたすら自学
です。
もちろんこれは天邪鬼や自己陶酔の類でやっているわけではありません。
当然、目的・目標あってのこと。
じゃあそれは何なのってことで説明していこうと思います。
目次
1. なぜ自学か
テスト対策期間で自学を使うのは、私たちが常に中3の受験期に目を向けているからです。
ウチでも受験期はもちろん入試対策のカリキュラムを組んで、入試問題への切り込み方、必要な知識などを叩き込みます。
ですが、限られた授業時間の中ですべてを完結することはできません。
必要な知識などを与えたとしても身につけるのは生徒自身。
そのためには自学する必要が出てきます。
そこで言われたことをやるだけの数年間を過ごした生徒に、「ほら、入試だから自分で勉強しな」というのはかなり酷な話です。
大きくなるまでずっとそばで寝床を作り、毛づくろいをし、餌を与えるだけ与えて、ある日突然谷底に落とす親ライオンのようなもの。
それは試練ではありません。
わざわざ自立するための手足を奪い、目と耳をふさぐのはナンセンスです。
ですから、中3の受験期から逆算して、早いうちから自学を経験し、慣れるためにウチではこうしたテスト対策を取り入れているのです。
2. 対策を考える機会とカリキュラムの限界
ところで、「テストで結果を出す」ことだけに焦点をあてるなら、プロである先生がテキストを作り、ガチガチのカリキュラムで固め、その通りに生徒を動かすのが私は最適解だと思います。
テストで点数も取れて、生徒も先生もWin-Winです。
しかしここで私には一つ疑問が浮かびます。
この場合、テスト対策をしたのは誰になるのでしょう?
テストの傾向を知り、その対策を考え、成功するためのロードマップを考えたのは誰でしょう?
それは言わずもがな「先生」です。
もちろんテスト傾向や対策について考えるのは私たちの基本的な仕事の一つ。
一方でそうした対策を押し付けることは生徒自身がどうやって勉強するか、何が効果的かを考える機会を奪います。
ましてや私たちが考えるテスト対策やカリキュラムは早い段階で限界をむかえます。
対策を考える材料は生徒の話やノート、プリントなどの断片的なものでしかなく、そこから生まれるカリキュラムやプリントは想像力を使って練りに練った「空想の産物」にすぎないからです。
その点で、生徒自身のもつ情報にはかないません。
彼らは100%目の前でリアルで授業を受けているわけですから。
それをふまえて、テストの対策を自分で考えることは授業の受け方、聞き方、とらえ方をよい方向に変えるチャンスにつながります。
3. 自学なのに教室で行う理由
自習するなら家でいいんじゃ?
と思う人もでしょう。
ですが、実態として家で勉強できる人はごく稀です。
たまたまとったアンケートでも、家で勉強できるという生徒は全体の1割にも及びませんでした。(だから塾に来たんでしょうから当然と言えば当然です)
ちなみにこれについては別の記事を書いているのでよかったら見てみてください↓。
で、その記事でも書きましたが集団で自学するのは思いのほか効果は高いです。
まず周りが勉強しているので手が抜きにくい。
すぐ質問ができる。
他の人の質問が自分にも生かせる。
そこにいる全員が真剣に取り組んでいることが前提ですが、そういった緩みもおきにくいのが集団の強みです。
もちろんコロナ事情で教室に直接来られないときはオンライン自習室も完備しているので問題ありません。
集団でありながら、個。
個でありながら、集団。
お互いのいいとこ取りができるのがメリットの一つです。
もちろんデメリットもあります
これまでメリットばかりを挙げてきましたが、当然デメリットもあります。
例えばその一つに私たちを含めた大人が焦れてしまう点です。
勉強に慣れていない生徒の勉強は大人をドギマギさせます。
それに対してこちらの思い通りにやらせては本来の目的が為されません。
また、結果についても本人の頑張りがモロに反映されます。
そこが最高に焦れます。
手を出したくて、出したくてたまらなくなります。
でも可能な限り手は出しません。
これまでの経験でこちらがあれこれ世話を焼いた子ほど、大きく失速していったからです。
この期間に私たちができることは叱咤激励をして、やる気の維持や目的をはっきりさせるような声かけが主になります。
自学を使った試験対策は高校でも通用する
自学を中心としたこのスタイルは高校へ進学したときに真価を発揮します。
高校では富田Tが記事にしていたように授業のスピード、質、量が段違いになります。
エコールの高校部に通っている生徒はその圧倒的な差に押しつぶされたり、置いていかれたりすることなく淡々と勉強を重ねています。
それができるのも中学時代に自分で考え、計画して勉強してきたことが経験として生きているからですね。
どうやって勉強すればいいかがわかっているというのは実は大きなアドバンテージなのです。
そういう長期的な視点で試験対策を行っています。
気になる方はぜひお近くの教室までご連絡ください!
この記事を書いた人
- 山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。
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