「何で同じように長時間テスト勉強してるはずなのに、あいつとこんなに差があるんだろう……?」
こんな疑問を抱えている中学生は結構いるのではないでしょうか。生徒からもしばしば聞く話です。
だいたいこういうことを言う子たちの二の句はこうです。
「あいつは頭が良いからな」
まあぶっちゃけその通りなんですが、じゃあ何で頭が良いんですかね?生まれつき?そんなワケありません。
いきなり頭が良いわけではなく、そこまで積み重ねてきたものが違うからです。
デキる子とデキない子は何が違うのか?「勉強法が悪いんじゃ?」なんて考えてしまいがちですが、そんな大げさなことでは無く、ただただテスト勉強でやっていることが全然違うんです。
そう、「凄い勉強法」なんてものはありません。そんなまやかしではなく、まっとうな努力で成果を上げましょう。
目次
デキる子はシンプルに勉強量が違う
さて、何の科学的根拠もありませんが、テスト勉強と成績にどのような関係があるか、イメージにしたものがこちら。
単純に、デキる子の方が圧倒的に勉強量が多い。効率の良い勉強法とか、そんなものはまやかしです。
試しに成績の良い子にどの問題集をどれだけやったか聞いてみたら良いと思います。提出物を必死に片付けただけの子とは比較にならないほど大量に、そして何度も徹底的に解いているでしょう。
また、満点に近づくほどグラフが急上昇していますが、これは攻略すべき問題が難しくなるので、必然的に時間がかかるためです。トップレベルの子がこなしている勉強量や時間は、伸び悩んでいる子の想像をはるかに越えると思います。
デキる子はたっぷりアウトプットする
勉強には「暗記=インプット」と「演習=アウトプット」の2つがあるとしましょう。
この割合が大きく結果を左右します。
デキない子がインプットもアウトプットもそれなりにやっているのに対して、デキる子は圧倒的にアウトプットの割合が大きいのが分かると思います。
インプットをしていないわけではなく、むしろキッチリとやった上で大量のアウトプットをこなしているのです。
そりゃそうですね。覚えてもいない状態で解けるわけがないんですから。最低限のインプットは必要です。
ちなみに「勉強法」と言えるかは微妙ですが、「暗記はアウトプット的にやる」のがポイントです。
例えば単語を覚えるとき、英語と日本語が両方見える状態で眺めているのはダメ。何も頭を使わないですからね。
必ず片方隠して、テスト形式でやりましょう。これが「アウトプット的」ということですね。頭を使っている量が段違いなので、結果的に覚えやすくなります。
うん、当たり前すぎですよね。だから「勉強法」とは言えない基本中の基本なのです。ただ、これすら出来ていない子にとっては、勉強法に値するものかもしれません。
デキない子はテスト勉強に全てをかける
デキない子のテスト勉強が成果を上げられないのは、圧倒的に勉強量が少ないからです。
その差が生まれる理由は大きく2つあります。
1つは、テスト期間の勉強時間が少ないこと。ひとくちに「テスト期間」と言っても、その認識の差は大きいと思いますよ。
何しろデキる子のテスト期間は2~3週間前から始まるのに対して、甘い子だと部活が無くなってからがテスト期間!という認識ですからね。期間にして2倍以上の差があります。
じゃあ部活が無くなった時間を全て勉強に費やすのかと言えば、全然そんなことはないわけです。
家に帰り、学校の疲れがあるのでまず休憩と称してノンビリくつろぎ、そろそろ勉強しなきゃなーなんて罪悪感に追われつつも粘っていたら夕食の時間になり、食後の休憩(笑)をとったら風呂へ入り、風呂上がりに飲み物を一杯飲んだらもう20時過ぎ。
そこからようやく重い腰を上げて机に座り、さあ何をしようかな~と考える。
一体いつから始まるんでしょうね?
そりゃ勉強時間に大差がつきます。でも、それ以上に大差がつくのが、もう1つの理由です。
それは、普段から勉強をしないこと。だからテスト期間に全部をこなすしかなくなるのです。
どうでしょう。デキない子はインプットからアウトプットまで、全部をテスト前にやろうとします。というと聞こえはいいんですけど、結局やってることは学校の提出物をこなすのに必死なんですよね……
テスト勉強に欠かせない、豊富な問題演習をする暇なんかない。これでは得点が伸びるわけありません。
デキる子はインプットを済ませている
実のところ、中堅くらいの子とずば抜けてデキる子を比べると、テスト前の勉強時間はそれほど差があるわけではありません。
テスト前だけでは、先ほどのグラフのようなすさまじい量の勉強量をこなすことはできません。
現実はこうです。
普段から基本事項のインプットを済ませてあり、課題の学校ワークも早々と済ませてある。この状態でテスト期間を迎えるからこそ、ほぼアウトプットに特化して勉強を進められるのです。
学校で習った内容は普段からワークを進めていれば、常に復習ができている状態です。これならテスト期間はさらなるレベルアップなり、苦手分野の解消なり、狙いを絞った勉強に取り組めますよね。
結局のところ、全てが好循環になっているわけで……もう降参するしかありませんね。
超デキる子は細かくインプットをする
満点に近くなると、それまでとは比較にならないくらい緻密なインプットが必要になります。
教科書の隅々まで読まなければ気づかないようなこと、先生のノートに書かれている細かいことなど、問題を解いているだけではなかなか身につかないものが最後の1点、2点を左右するのです。
そのため、超ハイレベル層はテストの直前でありながら、丁寧にインプットをするようになります。
その子たちがやっているのは、ただ教科書を眺めているだけとは次元の違う読み方です。うかつにマネをすると痛い目を見ます。
中堅どころの子たちがやるべきことはそういった細かいインプットではなく、徹底した大量の問題演習です。そちらの方が大きく得点が伸びます。
9割以上を狙うようになったら初めて細かいインプット作業をしていく、それまではアウトプット中心にテスト勉強を進めていけば間違いありません。
まとめ
テスト勉強の大原則が見えてきましたね。
普段インプットやワークなどの作業を進めておく。
テスト期間はアウトプットに徹する。
ただこれだけの事なんです。
生徒たちのテスト勉強を見ていると、入塾間もない生徒や経験の浅い中1生たちは、この大原則ができていません。
インプットという名の「見てるだけ」で頭を使わず時間だけを浪費する作業をしていたり、問題を解いていると思ったらただ課題をやっているだけだったり、まだまだテスト勉強と言える代物ではありません。
デキる子がどんなことをしているのかを知り、それを自分のものにしていく。これが王道であり、近道であり、ある意味で「勉強法」と呼べるものなんでしょうね。
この記事を書いた人
- 指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
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