たまには専門外の内容を。山王教室の陌間です。

うちの塾では「モドリル」という教材を使って計算を普段から練習しています。

加減乗除を駆使して計算力を鍛える教材です。

で、このモドリルはかなりの負荷なので、小学生で計算が苦手な子は苦しめられる子もいます。

10分の制限時間内に画像のような問題を3題解いていくわけですが、なかなかクリアできない子もいるわけです。

10分という壁を打ち破るのにもっとも必要なのは計算スピードです。
回数をこなしていくうちに10分の壁を超えられるようになり、どんどんタイムを縮められるようになっていきます。

ただ、中には10分切って以降タイムが縮まず、計算スピードが頭打ちになってしまう子もいます。

本人も計算スピードは上げたいと思っていますし、こちらもあれやこれやと手を打ちましたがなかなかスピードが上がりません。

何が違うんだろう。

そう思い、タイムを縮められる子と頭打ちになる子を比べてみたら、決定的に違っていたのは意外なところでした。

計算スピードが遅い子は筆算が雑

計算スピードが速い子とそうでない子の決定的な違いは筆算にありました。

速い子は傍から見てもわかるくらい筆算が丁寧に書かれているのです。

丁寧さといっても字のきれいさではありません。
数字と数字の間が程よく均等に開いているのです。

数字と数字の間が詰まっていると桁間違いを起こします。

また繰り上がり、繰り下がりを書くスペースもないので筆算のなかがごちゃごちゃします。

結果、解いている本人が混乱して計算スピードを落としてしまうのです。

スピードを落とす原因はそれだけではありません。

計算スピードが遅い子は筆算をよく消す

ノートの見栄えなどを気にしてか、自分のした筆算を消す子が割と多くいます。

ですが、これはよくありません。

小5・6と学年が上がってくると計算が複雑になってきます。
すると一つの問題に対して筆算を使う回数も増えてきます。

そこで筆算をするたび消してしまうと、計算の過程が消えてしまいます。

ちょっと計算スピードと関係なくなってしまうかもしれませんが、筆算を残すか消すかで問題を解くスピードに大きな差が生まれます。

思うような答えがでず、解きなおそうとしたときにその形跡である筆算が消えていたらはじめからやり直し。
振り出しに戻ってしまいます。

その点、筆算を残しておけばすぐにリカバーできます。

筆算を消さないメリットは速さだけでなく、正確さにも及びます。

過程を残しているから、間違いに気づくチャンスがあるからです。

計算スピードを速める方法、それは「丁寧に解く」

計算を速くしようとするあまり、雑に解くことがかえってスピードの低下を招きます。

実際に教室に通っている生徒に対して、「速くなくていいから。できるだけ丁寧に筆算を書いてみな。」といったところ、普段4分近くかかっていた一問がそれだけで半分の2分にまで短縮しました。

計算問題をいっぱいやってるのに、スピードが上がらない、不正確だと思うようなら、思い切ってゆっくり丁寧に計算するよう声をかけてみてはどうでしょうか。

この記事を書いた人

陌間 和将
山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。