塾に通い始めたばかりの子はたいてい似たようなノートの書き方をします。あ、ここでいうノートは算数や数学の演習に使うノートです。
先生の板書を写すノートは案外まともな事が多いでしょう。だって写すだけですし。
演習ノートは人によって格差が出ます。学校の先生から演習ノートの書き方なんて指導されることはまれですので、しかたありません。
少しずつアドバイスを加えて「伸びる演習ノートの使い方」が身につくよう鍛えていくのが僕らの仕事。じゃあどんな風にノートを使ったらいいのか、まとめていきましょう。
目次
ノートは答えを書く場所じゃない
僕の独断と偏見と経験から、小中学生の7割は演習ノートに「ほぼ答えしか書かない」状態です。
数学はまだ計算が難しいから多少途中式を書くでしょうけど、算数にいたっては絶望的です。
特に、宿題のノートに答えしか書いていない場合、多くは答えを写しただけです。
途中の計算はどうしたの?と聞けば、多くの場合「他の紙に書いた」と返答があります。言い訳をするにももう少しバリエーションが欲しいところです。
多くの場合「他の紙」なんて使っていませんが、百歩譲って本当に他の紙に書いたとしたら、いよいよノートは答えをメモする場所だと本気で思っていることになります。なんて恐ろしい。
ノートは答えを書くためにあるのではありません。
ノート書くべき内容5選
じゃあ何書けばいいのよ?となってしまいますので、ノートに書くべき内容を5つ紹介します。
1.図や表を書く
ノートには考える元となる図や表を積極的に書きましょう。
とても簡単な問題ならいいですが、考え方を整理するために図や表をぜひ活用したいところ。学校の先生もよく線分図とか書きますが、あれは説明用じゃなくて自分でマネして解くためのものです。
図形の問題も同じ。これは詳しく書こうと思いますけど、図形をノートに写すだけでも実力が伸びていきます。特に苦手な子は超オススメ。
2.式を書く
ただの計算問題はともかく、いわゆる文章題は必ず式を書きましょう。
というのも、万が一間違えたときに「式が違ったのか」「計算が違ったのか」を判断したいとき、式が書いてあればきちんと分かります。
小学生の場合、学校レベルの問題ならすぐ式を立てられるでしょう。
ところが中学生の場合、方程式の利用などはいきなり式を立てられることはまれ。式を立てるまでにいくつか手順を踏まないといけないことがほとんどです。
これらも全部書いておきましょう。
3.途中式は省かない
計算の途中経過はノートにしっかり残したい。これもどこかでミスがあったときにチェックをしたいからです。
また、僕らのような指導する側が途中経過を見れば、どこに弱点があるかをかなり正確に見極めることができます。宿題チェックをするときよーく見ている部分です。
実のところ、途中式を「書けるけど書かない」という子はまあまあ実力のある子だったりしますが、正直言って「書きたくても書けない」という子が多かったりします。
まともな途中式を書かなきゃ!と気負う必要はありません。ひとまず自分が計算している内容を消さずに書いていくようにするだけでも一歩前進です。
4.筆算も残す
筆算は落書きとばかりにすみっこに小さく書いて思い切り間違える子、本当にもったいないですね。
そして、終わった筆算を消してしまう子も少なくありません。
筆算は残しておきましょう。消す時間も手間も勿体ないですし、何より筆算のミスを見逃さないためにも消してはいけません。
先ほども書きましたが、「式が違うのか」「計算が違うのか」判断する重要なポイントですからね。
5.答えは目立たせる
肝心な答えなんですけど、ここまでの内容に比べたらオマケみたいなものです。
ただ、1つ言えるのは「目立つように書くこと」。これは答え合わせをするとき、一目で見つかるようにする工夫です。
高得点を収める子は、勉強の効率も良い。一つ一つの作業にムダが無く、素早くこなしていくことができるからこそ勉強もはかどるというものです。
答え合わせ1つとっても、正確に時間をかけずにこなしたいところ。「A.」と書いたり下線を引いたりして、パッと目に入るようにしましょう。
まとめ
最初は答えだけがずらっと並んだノートから始まり、徐々にノートの情報が増えていくとともにより深く考えていくようになります。
ノートはどこまで問題へじっくり取り組んだかをはかるバロメーターです。たかがノートと思わず、たっぷり使い倒しましょう。
この記事を書いた人
- 指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
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