小学生の指導をしていると、手のひらが黒く汚れるほど濃い文字を書く子、反対に遠目じゃ白紙にしか見えないほど薄い文字を書く子を目にします。
そのままだと成績に影響するレベルの子には声をかけます。
別に文字なんて読めればいいでしょ派の方にとっては「余計なお世話」かもしれませんが、僕は文字が極端に薄い子・濃い子は注意して見ます。それは、文字そのものではなく、その奥にあるポイントに注目をしているからです。
目次
文字の濃さ自体が問題じゃない
文字の濃さなんてひとそれぞれだから、別にいいんです。それは僕もそう思います。
極端な場合はそのままにしておけません。成績に響きます。
まるで「デッサンかよ」ってくらい濃い文字は手でこすれて多少汚くなりますけど、読めなくはないです。薄い場合はかなり読みづらいので、場合によってはもう少し濃くしたいところ。
とはいえ、大事なのはどうしてそうなってしまったのか、という原因なんですね。
文字の濃さが極端になる原因
文字の濃さが極端になる原因としては、3つ考えられます。
自信のなさの表れ
文字がとてつもなく薄い子は、自分の書いているものに自信が無い様子が見られます。
濃く書くと目立ちますから、ある程度自分の書いているものに自信が必要です。だから薄く薄くなっていくのでしょう。
また、薄い方が消しやすいので、無意識に予防線を張っているのかもしれません。
どう見られているかを気にしない
文字が凄まじく濃くなる子は、自分の書いた文字を他人からどのように見られているか意識が薄いことが多いようです。あくまで僕の観察ベースによる考察ですよ。
文字の見栄えを考えたら、ほどよい濃さが良いに決まっています。それが意識できないから自分の文字が読みづらくなっていても気にしないのです。
特に、濃くて雑な場合は暗号レベルで読みづらいので、出来るだけ早い段階で直すべきでしょう。
中学生になれば文字の重要性はおのずと理解してくるでしょう。先生に提出するプリントやレポ-トの文字は「授業態度」と同じ。早めに備えておきましょう。
文具のミスマッチ
文字の濃さは筆圧しだいですが、なかなか筆圧を意識して修正するのは難しいものです。
文具側で調整してあげれば簡単です。
文字があまりに薄い場合は鉛筆の芯をHBからBや2Bにしてあげましょう。軽い力でもすんなり濃い文字が書けるはずです。シャーペンの場合も同じです。
逆に文字が濃すぎるときは硬めの鉛筆に変えます。Hなどにしてやればどうあがいても薄くなります。
子どもの文字を保護者がどのくらい見ているかのバロメーター
こういった文字の濃すぎる・薄すぎる現象は、保護者がどのくらいの頻度でお子さんを見ているかを示していると考えています。
子どもの文字を保護者が常日頃見ていれば、まず違和感を感じるはず。そうすれば上記のような対処がすぐに取れるでしょう。
子どもの筆圧にあった文具に変えてあげるもよし、もう少し薄めに/濃いめに書くようアドバイスするもよし、様々なきめ細かいケアが出来ます。
これは文字の濃さに限りません。あまりに文字が雑だった場合も声かけをすることで改善する機会はいくらでもあります。
いかに保護者が自分の子どもを気にかけているか、というバロメーターになりうると考えています。
まとめ
お子さんの勉強の様子を普段から気にかけている親御さんはアンテナも鋭く、細かい子どもの変化に手を打つのも早くなります。それが理想的なのは誰しも分かっているところでしょう。
しかし今は共働きのご家庭も多く、保護者にとって時間も余裕もない日々かもしれません。しかし、同じような状況であっても、子どもへかける時間は親の教育熱しだいで大きく変わってきます。
偉そうに書いている僕自身も人様の教育に携わる仕事でありながら、我が子にかける時間は充分かと言われれば、うーんと言わざるを得ません。何しろ夜の仕事なんで、毎晩いないですからね。
その分朝に眠い目をこすりながら出来るだけ子どもを見るようにしています。睡眠時間を削ってでもやるべきことだと考えているからです。
親の熱意が大きく子どもの学力を左右することを知っているだけに、手が抜けません。
どうしても手が回らないときは、我々専門家に託して下さい。なかなか保護者の方が気づかない部分をつぶさにケアするのが僕らの役目ですからね。
以上、たかが文字の濃さ1つで分かることもあるんですよ、というお話でした。ちなみに僕は小学校のときBの鉛筆が大好きでした。比較的文字が濃かった部類だったと思います。
この記事を書いた人
- 指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
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