本日(令和4年2月15日)実施された神奈川県公立高等学校入学者選抜の学力検査について、数学の問題分析と難易度をお知らせします。

文中で表記されるA~Cは次のような指標です。

難しい。予想正解率15%未満
時間内で解くには難しい捨ててもいい問題
標準。予想正解率15%以上50%未満
西湘以上を受ける生徒が差をつける問題
簡単。予想正解率50%以上
定期テストレベルの問題

なお、各設問の表記は

問題番号 解答(例) 難易度

の順で表記します。

問1 計算問題(15点)

(ア) 1 難易度C 
(イ) 4 難易度C 
(ウ) 3 難易度C 
(エ) 2 難易度C 
(オ) 3 難易度C 

難易度分析

やはり今年も難易度は全てC、ここで間違えるようなら、中学は卒業できませんといったレベル。

問2 小問集合(20点)

(ア) 1 難易度C 
(イ) 3 難易度C 
(ウ) 2 難易度C 
(エ) 3 難易度C 
(オ) 4 難易度B 

難易度分析

(エ)で間違えた生徒がいたかもしれないが、入試問題ということを考えると難易度はC、Bに近いCといったところ。

(オ)も入試問題として見れば簡単。
ただ、数学が苦手な生徒はそのまま代入してしまい、計算が大変になってしまったせいで間違えてしまったという子がポツポツいると思うので難易度Bと判定。
中堅より上の学校を目指している生徒、数学で貯金をつくりたいという生徒は、(オ)を取りこぼした、または時間がかかってしまっただと痛い。

問3 小問集合(25点)

(ア) (ⅰ) (a) 3 難易度C 
(ア) (ⅰ) (b) 2 (c) 2 難易度C 
(ア) (ⅱ) 4 難易度B 
(イ) (ⅰ) 1 (ⅱ) 6 難易度B 
(ウ) 59° 難易度B 
(エ) 13/18 cm2 難易度A 

難易度分析

相変わらずゴチャゴチャとしたブロック。
やはり今年も、この問3を上手く切り抜けられたかどうかが結果に大きく影響したでしょう。

(イ)は、数学が得意な生徒も苦手な生徒も解く時間に大きな差が出ないので面倒だど昨年に注意していた問題。
今年も出ましたね。
上位層にはイラッとする問題。

(ウ)は、数学が得意な子ならすんなり解けると思うが、図形が苦手という子は苦戦した問題でしょう。解ける解けないが両極端になりそうということで、難易度はB。

(エ)、これが『30秒ルール』を適用する問題。

問4 関数(15点)

(ア) 2 難易度C 
(イ) (ⅰ) 3 (ⅱ) 5 難易度C 
(ウ) 3:10 難易度A 

難易度分析

(ア)(イ)(ウ)、例年通りの流れで安定というか、ある意味ホッとするような問題。
(イ)、さすがにもうここら辺の数値が分数になることでの驚きはないと思うので、難易度Cとしました。
(ウ)、難易度はAですが、十分解けるレベルのもの。問3の(エ)のような特Aではありません。

問5 確率(10点)

(ア) 1/6 難易度C 
(イ) 5/18 難易度B 

難易度分析

近年の確率は、ルールが少し複雑でそのルールを理解できないからさがせないという生徒がいました。
ただ、今年の問題はいたってシンプル。
久しぶりに、『数学が苦手な子は時間いっぱい探せ』が発動したか?
数学で高得点を取りたいという子は、ちゃんと状況を整理して考えないとムダな時間を使ってしまったかな。

問6 空間図形(15点)

(ア) 2 難易度C 
(イ) 4 難易度B 
(ウ) √34 cm 難易度A 

難易度分析

(イ)は、計算が面倒かと思ったので難易度をBとした。
ただ、三平方の基礎の問題なので、定期テストでも出題されるようなレベルの問題。

(ウ)は、問3の(エ)と同様で30秒ルールを適用してもいい問題。
慌てて計算して計算間違いをしてしまったという数学得意な子もいたでしょう。

問題全体の総合的な難易度は

あれやこれやと変化し続けていた入試問題ですが、ようやく落ち着きをみせたのかと感じるような問題構成でした。
まあ、その油断が来年『うわ、また変わった』という悲鳴になるかもしれませんが。
全体の難易度は、変化が無く練習通りに解き進めやすかったという点から、そう変わらないといった感じでしょう。
平均点としては、昨年より少し下がるかと思います。

おまけ

今回の難易度はABCの三段階で示しましたが、さすがに三段階だとかなり差がある問題も同じランクになります。
そこで、最後にオマケということで五段階評価を書いておきます。
5が最も難しく、1が最も簡単という形で評価します。

問1

(ア)1 (イ)1 (ウ)1 (エ)1 (オ)1

問2

(ア)1 (イ)1 (ウ)1 (エ)2 (オ)3

問3

(ア)(ⅰ)(a)1 (ア)(ⅰ)(b)(c)1 (ア)(ⅱ)4 (イ)3 (ウ)3 (エ)5

問4

(ア)1 (イ)2 (ウ)5

問5

(ア)1 (イ)4

問6

(ア)1 (イ)3 (ウ)5

五段階評価で1の問題をC、2と3の問題をB、4と5の問題をAとしました。

この記事を書いた人

山田 明史