2018年10月の時事問題

2018年10月のニュース
次の問いに答えなさい。(    )のある問いは、(     )に入る適当な語句を答えること。

Q1 10月1日、ノーベル生理学・医学賞を受賞した日本人はだれか。
Q2 10月2日、第4次安倍改造内閣発足し、引き続き自民党と(     )の連立政権となった。
Q3 10月2日にトルコで殺害され、国際的な問題となっているのはどこの国のジャーナリストか。
Q4 10月11日、新たな「日本の台所」として、築地市場に代わり、(    )市場がオープンした。
Q5 10月13日、政府は来年5月1日の「即位の日」を祝日にする方針を発表した。これにより来年5月の連休は(   )連休となる見通しとなった。
Q6 10月15日、政府は予定どおり2019年10月より消費税を(    )%に引き上げることを決定した。
Q7 10月21日にアメリカが離脱を表明したロシアとの条約は何条約か。
Q8 10月23日、3年4ヶ月ぶりに解放された日本人ジャーナリストが拘束されていた国はどこか。
Q9 10月26日、安倍首相が中国を訪問した際に、今年度をもって打ち切ることを伝えた支援をアルファベット3文字で答えなさい。
Q10 10月29日、政界を引退すると発表したドイツ首相はだれか。

本庶佑氏にノーベル生理学・医学賞

Q1 答 本庶佑(ほんじょたすく)

10月1日に今年のノーベル賞受賞者が発表され、日本の本庶佑氏がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。本庶氏は、「PD-1」というタンパク質を発見して、そこからがん治療薬「オプジーボ」が生み出されました。

体内に病原菌やウイルスが侵入すると、それらを撃退するために免疫細胞が働きますよね。じつはこの免疫細胞にはブレーキが付いています。ブレーキがないと正常な細胞まで攻撃をして、自らの体まで傷つけてしまうことになりかねないからです。そのブレーキの機能を果たすのがPD-1です。まずこのメカニズムを本庶氏は発見しました。

次に、この免疫細胞のブレーキに誤作動を起こさせる「悪質なタイプのがん細胞」がいることも本庶氏は突き止めます。すなわち、攻撃しなければいけないがん細胞であるにも関わらず、誤作動によって免疫細胞の機能にブレーキがかかり、がん細胞が攻撃されることなく大きくなっていくというわけです。

さらに本庶氏は、この誤作動はがん細胞の出すPD-L1が免疫細胞の表面に出るPD-1と結びつくことによって起こるというメカニズムも解明しました。
そこで、その結びつきを防いで、免疫の働きにブレーキがかからないようにするための薬が作り出されました。それが「オプジーボ」なのです。

オプジーボによるがん治療は「がん免疫療法」といって、これまでのがんの治療とは異なり、直接がん細胞を攻撃するのではなく、あくまで体内に備わっている免疫機能を回復させて、がん細胞への攻撃力を高めるといった治療法です。

これまでの「手術」「放射線」「抗がん剤」という直接がん細胞へ働きかける治療とは異なる新たな治療法として注目を集めています。

第4次安倍改造内閣、発足

Q2 答 公明党

10月2日、第4次安倍改造内閣が発足し、12人が初入閣となりました。
内閣総理大臣が任期の途中で内閣のメンバーチェンジを行うことを内閣改造といい、それによって誕生した内閣を改造内閣といいます。
先月の自民党総裁選の際に、安倍首相は自分が再び総裁になった際には内閣改造を行うと公言していました。

内閣のメンバーを選ぶ際、一般に「派閥」を意識した人事が行われています。派閥とはいわば党内のグループです。ひとつの政党内にはこうした大小の派閥がいくつも存在します。

国務大臣を選出する内閣総理大臣は、政権を担当する政党の党首でもあるわけですから、党をまとめあげていくことも大きな任務です。そこで派閥間で不公平が出ないよう、各派閥から有能な人材をバランスよく起用しているというのが実情です。

また、知ってのとおり現在の政権は、自民党と公明党の連立政権です。ですから、当然自民党だけではなく、公明党からもメンバーを選出しています。定期テストに直接出るようなことはきわめて稀ですが、築いた関係を維持するためにこうした配慮がされていることは心に留めておきましょう。

現在行われている臨時国会において、大臣としての資質を問うべく、野党による新人閣僚へのきびしい質問と答弁が続けられています。

トルコのサウジアラビア総領事館で、記者殺害

Q3 答 サウジアラビア

10月2日、サウジアラビアに批判的な記事を書いていたサウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏がトルコのイスタンブールにあるサウジアラビア総領事館で殺害されました。

殺害にサウジアラビア政府が関与しているということで世界中に衝撃を与え、注目を集めています。トルコのエルドアン大統領も事態を重く受け止め、真相の解明に協力的な姿勢を示しています。

ちなみに「総領事館」とは海外に住む自国の人々に各種行政サービスを行う場所です。似た言葉で「大使館」というのがありますが、「大使館」はその国と外交を行う大使が仕事を行う場所です。

どちらも中学2年生が歴史で勉強する「治外法権(ある国の領土にいながら、その支配を受けない特権)」が認められている場所です。警察権も及びませんので、そこだけ違う国という状態です。

東京都中央卸売市場、築地から豊洲へ

Q4 答 豊洲(とよす)

10月6日、83年にわたって「日本の台所」としての役割を担ってきた築地市場(中央区)がその長い歴史に幕を下ろしました。そして10月11日、移転先となる豊洲市場(江東区)がオープンしました。

築地市場の老朽化、安全面での不安などから豊洲市場への移転が決まったわけですが、今度は豊洲市場側に安全面での不安が見つかり、小池都知事が移転延期を決定したのが2年前。当時の時事問題でも頻繁に出題されていました。

豊洲が新たな「日本の台所」として華々しくスタートした一方で、残された築地の方は、ネズミの駆除、周辺商店街への影響など問題がまだまだ山積しています。23ヘクタールの跡地は、とりあえず2020年東京五輪の輸送拠点として使われるとのことですが、その先はまだ未定です。

ちなみに豊洲は、築地から南東に2.3km離れた場所にあります、お台場のすぐ近くです。「ターレ」と呼ばれる円筒形の運搬車に乗って、関係者が一斉に引越しする様子も印象的でしたね。

即位の日が祝日ならば、来年は10連休

Q5 答 10

10月13日、政府は皇太子さまが即位される来年5月1日を「祝日」にする方針であることを発表しました。「休日」ではなく「祝日」というところが注目です。

「祝日法」という祝日に関する法律に、“その前後が国民の「祝日」である日は、「国民の休日」とする”と記されているのです。つまり5月1日を「祝日」とすると、本来なら平日であった4月30日と5月2日が「国民の休日」となるのです。

[2019年5月1日が休日扱いだったとき]

4月27日(土)土日休み
4月28日(日)土日休み
4月29日(月)昭和の日
4月30日(火)
5月1日(水)即位の日(休日扱い)
5月2日(木)
5月3日(金)憲法記念日
5月4日(土)国民の祝日
5月5日(日)こどもの日
5月6日(月)振替休日

[2019年5月1日が祝日扱いだったとき]

4月27日(土)土日休み
4月28日(日)土日休み
4月29日(月)昭和の日
4月30日(火)new国民の休日
5月1日(水)即位の日(祝日扱い)
5月2日(木)new国民の休日
5月3日(金)憲法記念日
5月4日(土)国民の祝日
5月5日(日)こどもの日
5月6日(月)振替休日

即位の日が祝日扱いとなれば、なんと夢の10連休です!小中学生は春休みがもう1回やってくる感覚ですね。年内には正式決定とのことなので、続報を待ちましょう。

2019年10月より消費税10%へ

Q6 答 10

10月15日、安倍首相は予定通り2019年10月1日より10%に引き上げると発表しました。ここで注目すべきは、消費者の負担を減らす目的で作られた「軽減税率制度」です。コレがテストに狙われる可能性もありますね!

軽減税率制度とは、「飲料品など一部の商品を8%のまま据え置く」という制度です。一見すると消費者にとってはありがたい制度に見えますが、現時点ではその線引きが非常にあいまいでどうにもはっきりしません。同じ商品を購入した場合でも、「どこで食べるか」によって税率が変わってくるのです。

軽減税率制度では「外食」が対象外となっています。ですので、店内の食事スペースで飲食をすると消費税が10%となります。ところが同じ商品を持ち帰るとなると外食とみなされず消費税が8%となります。「テイクアウト」する方が税率が低いのです。

最近ではコンビニですら「イートイン」スペースを設置しているところもありますよね。そこで食べるための飲食には10%が適用されます。

「え、じゃあ会計の時には持ち帰るつもりだったけど、気が変わってイートインで食べようってなったらどうなるの???」はい、もう何が何やらわかりません。これじゃお店側も対応に困りますよね。実用化に向けて細かな問題が現時点では山積みの状態なわけです。

ちなみにカラオケで食べるポップコーンは10%で、映画館で食べるポップコーンは8%です(笑)。テツandトモの歌が聞こえてきました。

アメリカ、中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱表明

Q7 答 中距離核戦力(INF)全廃条約

10月21日、トランプ大統領は旧ソ連との間で結んだ中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱する方針だと表明しました。

この条約は射程範囲500~5500キロの核弾頭と弾頭を積んだ地上発射タイプのミサイル全廃を目的に、1987年、当時のレーガン大統領(アメリカ)とゴルバチョフ書記長(旧ソ連)の間で調印されました。

トランプ大統領はロシアの条約違反を理由に上げています。オバマ前大統領の時代からロシアが地上発射巡航ミサイルの発射実験をするなどして、ロシアはいくつかの新型ミサイルを開発しました。それを指摘しています。

また、中国の軍備拡張も一因であると言われています。中国が自由にミサイルを開発しているのに、アメリカがINF全廃条約を守っていたら、不利な状況に追い込まれてしまうと考えたのです。

このできごとを契機に軍備拡張の動きが世界中で起こるのではないかと考えられています。誰かが銃を下ろさなければ、ほかの人も銃を下ろしはしないでしょう。恐ろしい事態にならないことを祈るばかりです。

シリアで3年間拘束の日本人ジャーナリスト、解放

Q8 答 シリア

10月23日、日本政府はシリアで拘束されていた日本人ジャーナリスト安田純平氏がおよそ3年4ヶ月ぶりに解放されたと発表しました。解放にはカタールとトルコの協力があったと安倍首相が明かしました。

中東にあるシリアは、北部にユーフラテス川が流れ、5000年前から都市国家が栄えた非常に歴史のある国です。首都はダマスカス。メソポタミア文明と言えば、中学1年生もピンと来ることでしょう。

そのシリアですが、アサド大統領の独裁政権に対する反発が2011年に激化して、政府派と反政府派との間で内戦状態となりました。また、内戦の混乱に乗じて、過激派組織「イスラム国(IS)」や少数民族であるクルド人の勢力も加わり、大きな戦乱状態になってしまいました。

シリア内戦に対する各国の対応を確認してみましょう。まずは世界のリーダー争いをしているアメリカとロシア。アメリカは反政府派を支援し、ロシアはアサド政権を支援しています。

次に中東のリーダー争いをしているサウジアラビアとイラン。サウジアラビアは反政府派を支援し、イランはアサド政権を支援しています。

このように国内・国外の利害関係が複雑に入り混じってシリアの内戦は、なかなか解決を図ることができていないのです。

そうこうしているうちに新たな問題が起きています。「シリア難民問題」です。戦乱などにより、住む場所を追われてしまった人々を難民と呼びます。国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)の発表によると、現在ではシリアの難民が600万人を超え、国家人口の4分の1が難民となっているようです。

主に周辺国であるトルコ、ヨルダン、レバノンに避難しており、さらにそこから90万人以上の人がEUへ避難しています。あまりにも多くの難民が避難してくるため、受け入れる側の国でも大きな問題となっているのです。

中国への政府開発援助は今年度限り

Q9 答 ODA

10月26日、安倍首相は中国を訪問し、40年続いてきた中国への政府開発援助(ODA)を今年度をもって終了することを伝えました。

中国側もこれを了承して、両国は支援する関係から「パートナー」として協力していく関係へとシフトしていくことになりました。日中関係が新しい時代へ突入することになります。

中国の経済発展は目を見張るものがあります。2010年にGDP(国内総生産)で日本を抜き世界第2位となっています。2016年のGDPで比較すると、2位の中国が約11兆ドルに対して、3位の日本は5兆ドルですのでその差は順位以上に大きいと言えます。

政府開発援助(ODA)はそもそも発展途上国の経済発展のために政府が行う援助や出資ですので、とっくに日本が中国を支援する状態ではなかったのですね。

ドイツのメルケル首相、政界引退を表明

Q10 答 メルケル

10月29日、ドイツのメルケル首相は、12月に予定されている自身が現在党首を務めるキリスト民主同盟(CDU)の党首戦には出馬せず、2021年の任期満了をもって首相の座を退くことも発表しました。国民からの支持が著しく低下して、最近行われた州議会選挙で連敗したことが原因とのことです。

2005年から長期にわたってドイツのリーダーとして高い指導力を示し、また時にはEUのリーダーとしていくつもの国際問題を解決してきたメルケル首相に一体何があったのでしょうか。

どうやら支持率が低下した原因は、シリアのニュースでも触れた難民の受け入れ問題が関係していたようです。
メルケル首相は2015年以降、難民を手厚く保護する政策を打ち出していきました。当初は高く評価された政策でしたが、予想を超える数の難民がドイツ国内に増え、治安悪化の不安に国民が悩まされることになっていきました。

そんな最中、難民が関与した事件などが起こり、国民の支持率が急落していったというわけです。その後慌てて難民の流入を抑える政策を打ち出したものの、国民には政府が迷走しているように見えてしまったようです。

ドイツは政治・経済の面でもEUの中心的存在です。次のリーダーが誰になるのか、今後のドイツの動向に注目が集まります。

まとめます

10月は国内・国外とも実にさまざまなことが起きましたね。定期テスト対策としては、まず「ノーベル賞」「豊洲市場オープン」「消費税10%」は確実に押さえておきましょう。地図で国の場所を出題する場合も考えられますので、地図帳できちんと確認をしておきましょう。

最後に

今回は予定していたアップ日を大幅に過ぎてしまいました。楽しみにされていた方、申し訳ありませんでした。
次回、11月前半のニュースまとめをアップします。
「次回も時事モン、ゲットだぜ!」

この記事を書いた人

加藤 正和
足柄駅前教室責任者/文系科目担当/時事モンGOの中の人

・「熱しにくく、冷めにくい。」一度火が付いたら止まらない性格。
・「書けそうで書けない絶妙なポジションの漢字」を探すのに夢中。

ユーミンとサザンとミスチルと中島みゆきとももクロをこよなく愛しております。でも最近のヘビロテはヒゲダンです♪
ビールと日本酒をこよなく愛しております。
したがって、カラオケと居酒屋をこよなく愛しております。

めったにブログ書きませんが
筆無精の「全力」をご覧ください。