30年続く「進学進級旅行」

毎年3月に「進学進級旅行」を実施しています。この行事は塾開設当時からのもので、30年以上続いています。

時代とともに変わる生徒の要望

最初にこの行事を始めたときは、ちょうどディズニーランドが出来て2年目でした。ディズニーランドにバスで行く「進学進級旅行」には、中学3年の卒業生全員が参加し、このディズニー旅行を目当てに塾に入る生徒すらいました。

何年かするうちに、ディズーニーランドに行くことが当たり前になり、生徒達の要求も「1泊2日の旅行にしてして欲しい」というものに変わりました。

塾としても要望に答えるべく、1泊2日のバス旅行が何年か続きました。

大阪にUSJが出来ると、生徒達は「今度は大阪のUSJに行きたい。」というものに変わりました。バスを利用して大阪に行き、USJと道頓堀・通天閣・大阪城をめぐるツアーを実施しました。

相次ぐバスの事故

バス旅行を続けて行くなかで、高速夜行バスの事故や、スキーツアーに行くバスの事故などが続きました。

すると、バスの運行に対する規制や、運転手に対する管理が厳しくなりました。

バスの運賃は、運行のキロ数と利用時間の両建てで計算され、料金が一気に跳ね上がりました。

また、旅行会社はリスクを考え遠距離のバスでの旅行を避けるようになってきました。

ディズニーリゾートオフィシャルホテルの宿泊料金の値上げ

ディズニーリゾートのオフィシャルホテルは、海外からの宿泊客が増えたことによりあいついで値上げをしてきました。

ツアーを始めた頃は1泊1人7000円程度だった宿泊料は、現在1人17000円から24000円かかるようになっています。

ツアーの実施料金は30000円を超える金額になってきました。

生徒達の要求は

こうした中で生徒達の要求は、やはり「1泊2日でディズニーリゾートに行きたい。」というものと「もうディズニーリゾートは飽きたのでUSJに行きたい。」という意見に真っ二つに分かれるようになりました。

生徒の口の軽さ

生徒達は「お金は親が払うものだから、このぐらい払ってくれるだろう。」と単純に自分達の希望する要望を出してきます。

毎年、生徒達に行き先の希望を取り、最も希望の多かったところに行くことにしています。

今年は、「ディズニーではなくUSJにして欲しい。」という要望が大半を占めました。「僕はディズニーだったら絶対行かないから。」とか「USJは行ったことがないからそっちの方が良い。」というものでした。

「バスを利用してツアーが組めないから、新幹線の料金がかかるんだよ。良いのかな?」「親に確認しておいてね。」と言うと「大丈夫だよ。」という返事が返ってきます。

生徒の声を元にツアーを企画

そこで、この声を元にツアーの見積もりを取り、案内状を作り募集をかけます。

ところが、

親の財布のひもの固さ

実際に募集を掛けてみると、あれほど「絶対に行くから。」といっていた生徒が、「行かない。」とか、「高すぎる。」といった声を上げるようになりました。

「あれっ、きちんと金額を親に確認して、参加出来るかどうか確認したんじゃないの?」

予想外の反応です。

この時期、いろいろと出費が重なるので、親としては当然かもしれません。また、日帰りツアーの料金としては3万円を超える高いもの(中学生の場合)になりますので、「そんなお金は使えない。」ということでしょう。

好意が仇に

「生徒達の夢を叶えてあげたい。できるだけ要望を聞いてあげたい。」という姿勢が、逆に仇になってしまっているような気がします。

納得できる行事を

この「進学進級旅行」は30年以上続いている行事です。出来れば今後も続けていきたいと考えています。

時代の変化があり、そのときどきの要望も変わってきますが、知恵を絞り、色々と工夫をして、生徒達も保護者の方も納得のいくような行事が提案できたらいいなと、改めて思いました。

 

 

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ecole-tanaka
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