テストなどが終わり、反省をさせると必ずでてくるフレーズ。

「やる気があまりでなかった・続かなかった」という反省でです。

こうした反省を聞くと瞬間湯沸かし器のように「やる気が無いとは何事だ!」と感情的になる人もいます。

でも人間誰しもやる気がわかない時はあるし、それがどんなに大事なことでも気力が1ミリも動かないということも正直ありますよね。

だからといってそのときの気分で動くわけにもいきません。

テストや入試が行われる日は決まっています。

そのときに運良くやる気がわくのを待つのはあまりに分の悪い賭けです。

じゃあどうするかと言えば、単純明快、「やる気」に頼らなければいいだけです。

やる気に頼るのはやめよう

先に断っておきますが「やる気」があるのはいいことです。

「やる気が高まって、集中して、気づいたらあっという間に時間が過ぎてた」という経験が誰しも一度はあると思います。

そんなときは何をやってもうまくいくし、どんなことでも苦痛に感じることなくつづけることができます。

ただその状態を意図的に作り出すのはかなり難しいことですよね。

だから、いっそやる気がでるかどうかは天に任せて、やる気が無くてもやるべきことができるようにした方が現実的です。

そのために必要なのはやるべきことを「習慣化」すること。

顔を洗うのにほとんどやる気が必要ないように、勉強をするのにもほんの少しのやる気で動けるようになれば「勉強をする気が起きず、失敗した」という事態も防げます。

ではその「習慣化」に必要なのは何か。

それは次に挙げる2点です。

短い期間で計画をたてる

わずかなやる気で動くには、あらかじめ何をやるか決めておくのがポイントです。

やることが決まっていれば、動き出すのは案外簡単ですよね。

自分で言うのもなんですが、僕は掃除が大の苦手です。

ですが、あらかじめ掃除する場所とどのレベルまでキレイにするか決めておくと意外とすんなり始めることができたりします。

逆にその場の勢いで特に予定も決めずに始めると、自分でも信じられないレベルで気持ちがシナシナになって、「もうイヤ、明日やる」とほっぽり出してしまうこともあります。

また、計画するのは大事ですが、ポイントは「見栄を張らない」ことです。

中学生でたまにいますが、己を神かスーパーエリートと勘違いしているんじゃないかと思うような計画を立てる人がいます。

1時間でワークを20ページ進めるとか、2時間で5教科全部を勉強するとか。

この場合、見栄で盛った計画をしているのか自分のことを客観的に判断できていないのかは定かではありませんが、無計画な計画ほど無意味なものはありません。

できることを予定してこそ計画です。

はじめは自分でも甘すぎると思うぐらいのレベルで予定を立てましょう。

中学生ならまだしも小学生は自分ではまだそうした計画が立てられないでしょうから、保護者の方主導で予定を調節してあげると良いと思います。

そして計画するのは1週間単位くらいの短い期間がいいです。

長すぎると調整がきかない場合がありますからね。

ある程度やることの予定がたったら次のポイントです。

決めたことは必ずやる

非常にシンプルですが、これほど重要なことはありません。

そして、これを守り続けるのはなかなかに大変です。

とはいえ、一度決めたことをやり通すことなく、習慣化することはできません。

ここは一つ心を決めてやり通してください。

そういう意味で、最初にたてる計画はできるだけ甘めの方がいいということです。

大事なのは予定したタイミングで決めたことをやりきること。

計画したことを確実にクリアしていく経験が重要です。

そうした経験の積み重ねが、勉強をスタートするために必要となるやる気の負担を下げ、最終的には習慣化につながります。

ただし、やりきることは重要ですが、「できないからやらない」より「できないなりにやる」方がマシです。

塵も積もればなんとやら。

一度やめたことを再開するのは想像以上に大変です。

そんなときは、計画をもう一度練り直してハードルを下げるべきでしょう。

習慣化された勉強が与える良い影響

言わずもがなですが、定期的に勉強する習慣が身につけば記憶の長期化にもつながります。

ある程度決まったタイミングで知識が入ってくるので頭や身体も覚えることになれてくるわけです。

今通っている生徒の一人は小学生のとき、食事の前や学校から帰ったらすぐ学校の宿題や家庭で用意したプリントを解くと決められていたそうです。

本人がそれに対してどう思っていたかは分かりませんが、「決まりだから」の一言で日々のノルマを淡々とこなしていました。

そうなるまでご家庭での苦労ははかりしれません。

ですがその成果として、半年分の内容のテストでも、前の学年の問題をイジワルで出してもササッと答えてしまいます。

始めるのはなかなか大変ですが、その分見返りも大きいです。

大事なのはできることを続けること。

なかなか勉強が身につかない、やる気が出なくて勉強出来ないという人はぜひ試してみてはいかがでしょう。

この記事を書いた人

陌間 和将
山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。