新型コロナウイルスの影響で、小田原の全小中学校が休校になった今、思わぬ春休みが手に入りました。

先週保護者面談を行ったとき、多くの保護者の方から「家で勉強しているか分からない」との声を頂きました。そうなんです、お仕事をされている保護者の方にとって、子どもだけがいる家の中はまさにブラックボックスですよね。

その声を聞き、当学院は即座に対応しました。教室の自習室開放です。

子どもは勉強する環境に飢えている

自習開放を先週の段階で各ご家庭にお伝えしておきながら、僕自身どう思っていたかというと、「どうせそれほど来ないだろうな」と高をくくっていたのです。だって、普通に考えたら行かないですよ。家にいれば好きなことが出来るのに、わざわざ勉強しかできない塾へ自習に行きます?

フタを開けてみたら、果たして結構な人数の生徒が集まることに。

生徒が密集しないように1つ空きで座らせているため、もともと小さい教室がさらに圧迫されることに。電子黒板の教室は動画収録用に空けておかなければいけないので、僕の担当する教室はほぼ一杯でした。

これは嬉しい驚き。

みんな本音では勉強したくない。それは間違いないでしょう。僕も本音では子どもと遊んでいたいですし。

でも、やらなきゃいけないのも分かってる。あとはその踏ん切りがつくかどうかなんですね。

塾に行けば諦めもついて、やるべきことに打ち込める。結局子どもたちは環境に大きく左右されるということです。

長い春休みにやるべきこととは?

今回の春休みは、普段ではあり得ないほどのレア中のレア。もう20年以上塾講師をやってて休塾なんて前代未聞です。

そして、同時に千載一遇の大チャンスなんです。

自分の弱点補強ができる

普段は学校の授業がありますので、その内容を勉強しなければいけません。しかし、今は学校の授業がストップしています。学校の勉強は足踏みをしているのです。

つまり、今は何を勉強しても許される時期なんです(何も勉強しないのは許されない時期です)。

例えば、中1も終わろうとしているのにまだ方程式が完璧ではないとか、三単現あたりから英語がごちゃごちゃになっているとか、あからさまに苦手な部分があるとします。

普段ならそんな大幅に戻って勉強するヒマはありません。でも、今ならいくらでも可能です。可能ですけど、今までまともにやらなかったから苦手だったわけですから、かなり覚悟を決めないと弱点を克服することはできません。苦手なものってなるべくやりたくないので。

だから、覚悟を決めて取り組んでください。

たっぷり予習を進められる

まず学校の教科書内容が終わってないなら、学校の再開を待たずに進めておきたいところです。ウチの塾の場合、動画配信があるので問題ありませんが、塾に通っていない場合は自分で進めておかないと後がキツくなります。

特に現中2生はシャレになりません。3月に授業が進まない分、来年の入試が遅くなってくれるわけではないですからね。単純にギュッと圧縮されるだけ。再開後の学校の授業ペースは今までに無いほど速くなりますから、今のうちに教科書を読んでおくだけでも違ってくると思います。

さらに入試を終えた中3生、つまり新高1生は人生を大きく左右する春休みになりました。

ハッキリ言いましょう。学校から出た課題だけやって勉強をした気になっているような甘ちゃんは指定校推薦なんて取れるはずがありません

先日の保護者説明会でも言いましたけど、指定校推薦を取れる条件は「人がやっていないときに勉強出来ること」です。

入試が終わった、と言いますが、それって入る高校が決まっただけですよね。入ることが目標という人は好きにすればよいと思いますが、大学入試はもう始まっているのです。

今年は特に差が付きやすい状況です。僕の予想ですが、入学時にはほぼほぼその先の運命は決してしまうと思います。

勉強以外のことができる

きっと、塾の先生は勉強勉強また勉強!みたいなことを言っているイメージがあると思いますが、別にそんなことありません。僕らだってYoutube見ますしテレビだって見ますしマンガも読みます。ウチのテレビはEテレ固定ですけど。

せっかく時間があるんだから、勉強以外も充実させましょうよ。丸一日勉強しろなんて言いません。学校と同じくらいの時間勉強したら、あとはやりたいことに時間を使えます。

その中でも、僕が推したいものは2つ。

1つはもちろん読書。なんだかんだ言って部活に勉強に忙しい子たちは、よほど読書好きで無い限り腰を落ち着けて本を読むなんて気分にならないでしょう。でも、今はそれほどやるべきことに追われているわけじゃないので、じっくりと本を読むチャンスです。

運良くハマる本に出会えたら、その後の人生に大きく変化が訪れます。今まで本を読むのがゼロだった子が少しでも読むようになった。これは革命的な変化ですよ。

もう1つはドラマを見ること。出来れば毎週続いている連続ドラマが良いです。

ドラマを見るのは本を読むのと同じくらい、読解力を必要とします。映像がある分、読書よりとっつきやすいのも良いところ。

ドラマでは大人の会話じゃないと出てこない言い回しに触れることができる。これが強みです。さらに、連続ドラマならではの「伏線」を理解したとき、物語の凄みに触れることができます。

ぜひ家族でアレコレ言いながらドラマを見ることをオススメします。親子間の会話もさることながら、子どもたちの語彙力・理解力を保護者が把握するのに一役買うことでしょう。まあ、だいたい愕然とするのですが……

まとめ

願わくば早く新型コロナウイルスの影響が収まって欲しいのですが、状況的に難しいのは否めません。本来の春休みに突入するまで、休校措置は解けないでしょう。

学校の授業が進まないという大きなピンチを前向きにとらえ、チャンスへと切り替えられるかどうか。この春休み、取り組み一つで確実に極端な差がつきます。

もう休校に入って10日間が過ぎようとしている中、差をつける側へとなっているでしょうか?

この記事を書いた人

富田 靖之螢田教室・板橋教室責任者
指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。