時期的にどうしてもお堅い話題ばかりだったというか、明るい話題が少なかった当ブログ、たまには休校期間を別の視点から振り返ってみたいと思いました。

保護者の皆さんにとって、子どもがずーっと家にいる状況って本音では非常に面倒な点が多かったと思うんですよ。それは家事の負担が明らかに増えるからじゃないでしょうか。

子どもたちは腐るほど時間があったわけで、休校期間くらい家事をやんなきゃダメだよね、と僕は思うわけですよ。だから先日こんな記事を書いたわけです。

今がチャンス!休校期間中にしておきたい勉強じゃない5つのこと

さて、休校期間は終わりました。じゃあ普段の小中学生に家事を手伝わせるべきでしょうか?

上の記事でも書きましたが、これはご家庭によって意見が分かれるところです。実は我が家でも夫婦で見解が違うくらいのテーマですので、ちょっと掘り下げてみようと思います。

家事を手伝わせるべき派

僕は子どもに家事を手伝わせるべき派です。それはもうゴリゴリに。

子どもの頃、我が家は「家事が終わったら勉強していい」という鉄の掟がありました。言うほど大した分担がされるわけではありませんが、黙っていたら夕食が出てくるなんて甘い家じゃなかったのは確かです。

テスト前だろうが入試前だろうが関係ありません。さすがに勉強したいですから、必死に家事を済ませようとするわけです。不思議と「じゃあ勉強しなくていいから家事もあとでいいや」とはならなかったあたり、小心者だったのでしょう。真面目ではないです。

そんな少年期を過ごした僕が考える小中学生が家事をやるべき理由は3つほど。

一家の一員として分担する

うーん、未だに「働かざる者食うべからず」という親の言葉がトラウマのように残っています。確かに子どもとはいえ家族ですし、自分が使っている家でもありますから、家事の一端を担うのは当たり前と言われれば反論出来ません。

親が全部やるのも大変ですし、子どもが多少分担すれば明らかに親の負担は減るわけですから、回り回って子どもにとってもメリットがありそうです。

ちなみに我が家の三歳児、僕が料理していると手伝おうとしてくるのですが、とりあえずまだ戦力にならないどころか足手まといでしかないからおとなしくアン○ンマンでも見ててください。

生活力が身につく

幼少期から家事をこなしていれば、いつ何時でも一人暮らしが出来ます。

掃除は苦手、洗濯機の使い方も分からない、料理はしたことない、という学生も珍しく無いようですが、彼らはどうやって一人暮らしするんでしょうか。

頑張って勉強してレベル高めの東京の大学に進学したなら、華々しく都内に下宿したいでしょうに、生活力が無かったら楽しい学生生活を送るのは難しいでしょう。

そんなことを言っている僕ですが、今まで一人暮らしをしたことは一度もありませんけどね。いつでも出来るスキルは備わっています。

家庭科で無双できる

塾講師的にはココを一番押したいところです。

経験に勝るものはありません。教科書で得た知識に実践が伴えば、家庭科は楽勝すぎます。

逆に、実際にやってみたことが無いと本当にピンとこないのが家庭科の難しいところ。やったことがなければ調理実習の手順とか覚えられませんって。

僕は自分のプロフィールを紹介するとき必ず得意科目に理科・音楽・家庭科を挙げますけど、好きなのはこの順番。ところが実際にテストで点が取れる順番は家庭科・音楽・理科の順でした。家庭科なんかまともに勉強したことありませんでしたけど、ほぼ間違えたことありません。

ピアノ経験者が音楽にめっぽう強いのと同じ、経験者が強すぎるのが実技科目です。家庭科で無双したければ家事をやれ!といったところでしょう。

ま、家庭科だけ出来ても技術が苦手だと意味ないんですが……

勉強を優先すべき派

繰り返しますが、僕は家事をやらせるべき派です。子どもに家事をやらせる党があれば僕は党首に立候補したいレベル。

ところが、我が家は真っ二つに意見が割れているのです。そう、妻は勉強優先派なのですね。

ということで、敵国の言い分も聞いてみようじゃないですか。

子どもの本分はあくまで勉強

大人は社会人=社会の役割を果たすのが本分。まあ勤労の義務がある以上、仕事をすべきということでしょう。

一方、子どもたちは学校に通っています。学校は勉強の場ですから、確かに子どもの本分は勉強ということになります。

こう言うと、「学校は勉強だけをしにいく場じゃ無い!」と言いそうな人もいますけど、学校にいる時間のほとんどが授業なんだから、勉強がメインに決まっています。異論は受け付けません。

家庭においても、家事は大人がやるから、子どもはその時間があれば勉強をしなさい、と。

まあ、言われてみれば子どもが幼いうちは親が全ての家事をやっているわけです。子どもが小さいほど家事負担は大きいので、小中学生にもなって今さら手伝ってもらわなくても平気でしょうね。

生徒たちの話を聞く限り、子どもは勉強に集中させる、というご家庭が大半な気がします。それを都合良く拡大解釈している子もいますけどね。さすがにずっとゲームしてるならちっとは手伝えよと思いますが。

家事はいつでも覚えられる

僕は子どものときに家事を一通り覚えたので、それが当たり前だと思っていました。だから自分の子にも家事を覚えさせようとしているのです。

しかし、妻はこう言います。

そんなもの、必要になればすぐ身につく」と。

確かに。

家事は大人になって必要に迫られればやりますよね。そして、大人の方が器用なので、ある程度すぐに出来るようになるでしょう。

勉強はそうもいきません。学年に応じて身につけなければいけないものが決まっていますから、しかるべきタイミングで勉強をしていないと困ります。

「九九なんてそのうち覚えればいいや!」は通用しません。そのとき覚えなければ割り算に進めないのですから。

「大人になってからいくらでも勉強出来る」という意見もありますが、それは資格試験などの大人が勉強すべき内容のことで、学生生活で勉強すべき内容はそのときにやった方が圧倒的に楽です。

そう考えると、家事より勉強優先というのも一理あります。

親の言うことがブレたらダメ

どちらにせよ、その場その場で親の都合の良いように対応を変えるのが一番よろしくありません。

小学校のときは勉強の負担が大したことありませんので、家事を手伝わせる。中学校からは勉強を優先する。こんな感じでハッキリ決めてあればいいのです。

でも、だらけている子どもを見て「遊んでいるなら手伝いなさい!」と言えば子どもはしぶしぶ勉強しますよね。このときの子どもの心理は「家事を手伝うのが面倒だから勉強する(フリ)」ってなりがち。なんて後ろ向きなんでしょう。

個人的にはその家庭のルールをしっかり決めるべきだと思います。

まとめ

小学校3年生のとき、母親に「ねえ、リンゴ食べる?」と聞かれたので普通に「うん」と答えました。

すると、目の前にリンゴとナイフが置かれたのを未だに覚えています。あれは衝撃的でした。自分でやれってか。

それ以来基本的に自分でやるようになったので、むいてあるリンゴを出された日には何か交換条件で要求が来るのではないかとヒヤヒヤしていたほどです。

まあ、自分で文章化していて感じるのは、勉強を優先させた方がメリットが大きいということ。自分の経験を元にすると家事をさせた方がいいと思っていたのですが、勉強してくれた方が親としては嬉しかったり。

どこまでいってもご家庭ごとに方針が違うので平行線なのですが、一つだけ結論はあります。

勉強しないでゴロゴロしてる子はこき使いましょう。

以上、第1回小中学生には家事を手伝わせるべきか会議でした。第1回で終了となります。

この記事を書いた人

富田 靖之螢田教室・板橋教室責任者
指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。