「定期テストの英語は取れるんだけど、模試が苦手……」

こんな悩みを抱える中学生は多いと思います。そんな人にオススメしたいのが「英検」です。

まずは最初に結論を。

英検の勉強をする」と効果はバツグンです!

英検を取ると、ではないところがミソですね。では、以下解説をしましょう。

定期テストと模試の違い

中学校に限定ですけど、英語って定期テストで一番満点を狙いやすい科目です。

国語は先生の主観が入りますし、数学や理科は天井知らずで難しくできます。社会はかつて僕自身が嫌いで満点を狙った経験が無いので他の方に聞いてください。

英語はどれだけ難しくしようと思っても、知らない単語を出すことはできませんし、文法だって教科書の範囲を超えません。試験範囲をガッチリ勉強すれば満点が狙えます。

ところが、入試はもちろん模試になると、とたんに英語は点を取りにくい科目に化けます。

その理由は、定期テストにはほぼ出題されない「長文」「リスニング」に加え、あらゆる文法事項が混じった問題になるからです。

英検を勉強することで模試に強くなる

そこで「英検」です。

まず誤解の無いようにお伝えしておきますが、神奈川県の公立高校入試に限って言えば、英検を取ることで点数的なメリットは全くありません

極端な話、英検1級を持っていようが、入試で得点が取れなければ意味が無い、ということです。

以前は英検を持っていると内申点に加点されたのですが、それも一切ありません。

それでも、「英検の勉強をする」ことに大きなメリットがあるんです。繰り返しますが、英検を取ることがメリットではありません。まあ、取れるにこしたことはありませんけどね。

長文問題の経験が積める

定期テストにはほとんど長文問題が出題されません。そもそも学校のワークにも長文問題はほとんどありませんしね。

英検対策問題集には普段取り組めない長文問題がタップリ。しかも、英検3級だと「入試よりやや簡単で短めの長文」が出題されるので、練習にはもってこいなんです。

中3は学校のテストが終わる11月末から入試勉強に本腰を入れます。それまで長文演習を全くやって無かった場合、現実問題としてかなり対策が難しいでしょう。

短期間とはいえ、英検の勉強を通じて長文対策をやっていた経験がそこで生きてきます。

リスニング問題の勉強ができる

リスニングは英語の勉強の中で最も長期間の対策が必要です。とても3ヶ月では間に合いません

一昔前(10年くらい?)のリスニングテストは、誰でも簡単に高得点が取れるような難易度でした。今や別物、マグレで取れるような問題ではありません。

英検は筆記試験に負けないくらいリスニングテストの配点がありますので、対策は必須です。

対策問題集を買えばCDも付いてきますので、この機会にタップリと対策をしておきたいところ。英検が終わってもその対策を続けていけば、入試が近づく頃にはかなり良い耳が育っていることでしょう。

もちろん英検の勉強以外でリスニングテスト対策をすれば問題ありませんが……何やったらいいか分からないのでは?

色々な文法が混じった演習ができる

定期テストは決められた範囲から出題されます。中心になる文法事項は限られており、かなり解きやすくなっています。

入試や模試の場合、全範囲から何が出てくるか分かりません。定期テストではあまり要求されない「どの文法を使えば良いか判断する」能力が試されます。

英検の問題集を勉強していけば、色々な文法が混ざった状態で演習ができます

実は、文法が混じった問題集って意外に見つかりません。そういう意味でも、なかなか貴重な演習ができるというわけです。

公立高校入試の面接で差をつける

英検を勉強することで、公立高校入試の面接試験で差をつけることができます。

おっと、誤解を招きそうですので、念を押しておきましょう。英検を取っても加点されたりはしません。一切得点には影響しませんからね。

じゃあ、なんで面接試験で差をつけられるのさ?というと、「英検の勉強をした経験」を語ることができるからです。

そもそも現代の神奈川の公立高校入試のために英検を取る必要はありません。でも、みんながやらないことを積極的にやることに大きな意味があるワケですね。

英検の勉強を具体的に語るのもよし、英語が苦手だったから一念発起して英検に挑戦してみた、なんてエピソードもいいですね。

だいたい似たような没個性のことしか語ることができない受検生ばかりですから、他の人があまり取り組まないことをやってみると良いでしょう。

普通に長文やリスニング対策するのと何が違うの?

それは、目の前に「合格しよう」という目標があることです。

先々の入試をにらんで夏くらいから長文やリスニング対策に取り組むのも良いですが、にらむには遠すぎて目標がぼやけてしまいます。

それに比べて、英検なら「合格」という餌が目の前にぶら下がっているので、おのずと熱も入るというもんです。

だから、あくまで合格を目指して英検の勉強に取り組むことで、結果的に入試の準備になっている、この一石二鳥感が良いのです。

まとめ

将来的な話をすれば、英語の4技能を鍛えるにあたって英検の受験には意味があります。ただ、そんなに長い目で見て考える中学生はそれほどいないでしょう。

英検の勉強を弾みにして高校入試に挑む生徒を何度も見てきた経験から、モチベーション面も含めて良い影響があると考えています。

中3生だけじゃなく、中1や中2のうちから英検に挑戦していき、より長文やリスニングに強くなっていきましょう。

特に10月の英検は学校の定期テストとかぶらないので、受験日和ですよ!

この記事を書いた人

富田 靖之螢田教室・板橋教室責任者
指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。