こんにちは、富水教室の山田です。
春期講習が終わって数日後、この4月から6年生になるある生徒の保護者から、算数の質問を受けました。
なかなか面白い問題だったので、富水教室の中高生達に解かせてみたいと思い、メールやラインでその問題を送りました。
今日は、その問題についてを書こうと思います。
目次
☆小6からの挑戦状☆
44200円を、Aさん、Bさん、Cさんで分けます。
AさんはBさんの3/4倍より500円多く、BさんはCさんの3/2倍より200円多くなりました。
Aさんの金額はいくらになるでしょうか?
*『3/4』は『4分の3』、『3/2』は『2分の3』のことです。
皆さん、解けますか?
一見、どこにでもある様な問題ですが、たぶん、ほとんどの中高生は解けないと思います。
ヒント1
ヒント1は、『問題文をよく読む』です。
こう言っても、『読みました』と言ってちゃんと読まない、言い方を変えると『読み取らない』人がいると思うので、1つ別の問題文を書きます。
それを考えれば、『問題文をよく読む』、『読み取る』の意味が分かるはずです。
では、参考にして欲しい問題文を書きます。
1000円を、Aさん、Bさん、Cさんで、均等に分けます。
それぞれの金額はいくらになるでしょうか?
想定外の参戦者
富水教室の生徒達にヒント1を送った後、驚きの返信が来ました。
「息子と一緒に私も考えています。」
「高3の兄が解いた答えがこれですが、どうでしょうか。」
予想外の反響で驚きました。
世の中では、算数や数学は嫌いという人の方が多いですが、富水教室の皆様は算数好きの方が多いみたいです。
ヒント1の意味
さて、ヒント1を正しく理解できているのか、確認をしたいと思います。
ヒント1は、『問題文をよく読む』、『読み取る』でした。
そして、参考として送った問題文は『1000円を、Aさん、Bさん、Cさんで、均等に分けます。それぞれの金額はいくらになるでしょうか?』でした。
この問題の答えは、『333円』です。
お金なので、残りの1円を3つに分けることはできません。
それぞれが333円ずつ手にして、『1円余る』ということです。
ここまで書けば察することができると思います。
『分けきる』、『余りが出ない』などは、問題文には書かれていません。
分けきるとか余りが出ないなどは、『勝手な思い込み』です。
だから、なかなか面白い問題だ、中高生達に解かせてみようと思いました。
勝手な思い込みは、問題の本質を見落とすことにつながります。
算数や数学が得意な生徒は、たぶん、式をつくりそれを解き『答えが整数にならない』というところまでいったのではないかと思います。
それは、余りが出ないという勝手に思い込んだ前提で、問題を解いたからです。
そこまでいった生徒達が作った式は、『A+B+C=44200』でしょう。
しかし、今回考えなければならない本当の式は、『A+B+C≦44200』です。
ヒント2
余りが出る、余りが出てもいいとなると、この問題、実は答えは1通りではありません。
何と、『1495通り』もあります。
例えば、『Aさんが650円、Bさんが200円、Cさんが0円』も、その1つです。
0円なんてあるのかという人がいるかと思うので、0円ではない答えの1つも紹介しましょう。
『Aさんが1100円、Bさんが800円、Cさんが400円』が、その1つです。
まだ他に1493通りの答えがあるので、見つける答えを限定しましょう。
小5の頃、こんな問題があったと思います。
縦○cm、横△cmの長方形の壁に、同じ大きさの正方形のタイルを隙間無く並べていきます。
『できるだけ大きな正方形』で敷き詰めるには、正方形の1辺を何cmにすればいいでしょうか?
この問題も、『できるだけ大きな正方形』という限定が無いと、答えが複数出てくる問題です。
これに倣って、『できるだけ余りが少なくなるように分ける』という一文を、問題に追加しましょう。
そして、ヒントの2つ目です。
既に前記しましたが、『1495』という数字を2つ目のヒントとしたいと思います。
解いている過程でこの数字が見えた時、それは正解に近づいたということです。
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