子どもを指導する立場にいる人にとってはあるあるですが、カタカナの「ツ」と「シ」が書けなかったりあべこべだったりする子がいます。意外と結構いるんです。
僕はこういった細かいところを絶対スルーしないので、いちいち授業時間を消費してでも指摘をします。
それは僕がネチネチ細かい性格だからではありません(細かいのは事実ですけど)。
ずっと考えている持論ですが、この細かい点に隠された学習環境の問題があると思っているからです。
目次
カタカナの「ツ」と「シ」、ちゃんと書ける?
まあ、まずはお子さんの書いた「ツ」と「シ」を見て欲しいんですよね。何か違和感を感じませんか?
とりあえず、ハライの方向が分かりやすいように筆ペンツールを使って書いてみました。「ツ」は上から3本書き下ろすので、上辺が揃います。対して「シ」は左から3本書くので、左辺が揃います。まあピッタリそろうワケじゃ無いですけど。
で、たまにこういう「ツ」や「シ」を書く子がいるんです。
なんとなく違和感ありません?これ、ツとシがあべこべなんですよね。
けっこう露骨に書いたように思えますけど、実際に間違えている子の字もなかなかインパクトがあります。
カタカナの「ツ」と「シ」が問題なのではない
こういう指摘をすると、「そんな細かいことどうでもよくない?読めればいいでしょ」という意見を持つ方もいらっしゃるでしょう。
きっとその方にはどうでも良いことなのでしょう。
読めればいいでしょ?は的外れです。読めませんからね?
想像してみて欲しいのですが、その子は今後「ツ・シ」があべこべになったような文字を読みにくいという自覚のないまま書き続けるのです。もちろんその中には先生への提出物も含まれます。
実際に読めば分かりますが、「ツ・シ」が出てくるたびにいちいち脳に引っかかりが起こるのです。先生からしてみたら、たびたび入るノイズにイライラしてくるでしょう。それで成績が上がるわけありません。
どうでしょう?下の文なんてもはや嫌がらせにしか見えないでしょう?
読んで頂く相手に対して気を遣えない提出物の評価は上がりません。それが本人の意図している・いないに関わらず、です。
評価を受ける子ども本人にとっては、決して「どうでもよいこと」でも「細かいこと」でもないのです。
カタカナの「ツ」と「シ」を指摘されない環境が怖い
僕が最も危惧しているのは、明らかに目につくであろう「ツ」と「シ」を指摘されずにいる環境です。
大人が見ればパッと見で違和感を感じるのは間違いありません。ただ、指摘をするのはけっこうしんどいもので、エネルギーを要します。
結果的に細かい指摘をするのは面倒なので、ずっと放置され続けてしまいます。
つまり、その子の周りの大人、すなわち保護者や学校の先生からは多少の細かいことはスルーされてしまう環境だと言うことです。
勉強面において、細かいけど重要なことはたくさんあります。今回のような文字の話だったり、計算の細かい作法であったり、正しい方法から逸れていってしまうと困るものです。
学習のプロである先生も、さすがに一人ひとりの細かい状態を把握していくことは難しい。そこまで求めるのは酷というものです。
我々のような細かいところへ目の届く指導をしている人間が、逐一指摘していかないといけません。子どもたちからするとさぞかし口うるさく見えるでしょうが、先々彼らが困らないようコツコツ声かけしていければ良いですね。
まとめ
たかがカタカナの書き方ひとつでも、周りの大人のサポートがどれだけ行き届いているかが透けて見えてきます。
僕自身、小学校1年生のときの担任の先生が文字に関して恐ろしく厳しい先生でした。お手本通りキッチリ書かないと片っ端からNGという、今ではほとんど見ないような指導でした。
もちろん当時は堅苦しさを感じていましたが、小学校高学年くらいには感謝しかありませんでした。思い返すと繊細なところまで指導をして下さったことが、今の礎になっているのは間違いありません。
一度幼いときに染みついた感覚は、なかなか修正する事ができません。子ども本人に対策はできませんので、周りの大人がきめ細かくサポートしてあげたいものです。
この記事を書いた人
- 指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
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