どうも、万年寝不足塾講師の富田です。今は入試前なので勉強時間の確保のために睡眠時間を削っている子も珍しくありません。
どうしても実力を伸ばして合格したいのなら、今すぐ夜中の勉強をやめましょう。特に今得点が足りなくてもがいているのなら、なおさらです。
目次
夜中まで勉強していたとある生徒の話
ちょっと前に指導していた生徒の話ですが、たいへん真面目で頑張り屋さんな子がいました。
入塾してから勉強のやり方を身につけ、みるみるうちに成績が伸びていったのですが、あるときパタッと伸びが止まってしまいました。
勉強時間が長いのに成績が伸びない
その子は真面目なので、勉強時間が足りないと思い、かなり遅くまで勉強するようになりました。
ちょうどそのとき、その子の友人が余計なことを吹き込んでしまったのです。
「私いつも2時まで勉強してるよ」と。
大変真面目な彼女はそれを真に受けてがむしゃらに深夜まで勉強をするようになりました。
ウチの塾では学習スケジュールを記録してるのですが、23時までしか記入欄がありません。だからしばらく気づきませんでした。しかし伸び悩んでいる様子に違和感を感じて僕がヒアリングしたところ、3時近くまで勉強をしていたことが発覚。
即座にやめさせました。
勉強時間は減ったが成績は爆上げ
早く寝るということはその分勉強時間は短くなります。僕は23時には勉強をやめ、24時までには寝るように伝えました。その通りにやると、今までより1日の勉強時間が4時間も減ってしまいます。
その子は本当に真面目なので、当初勉強時間が減ることに難色を示していました。
それでも睡眠不足のダメな点を事細かに説明してあげると、半信半疑ながら早く寝るようになったようです。僕はご家庭にも「ちゃんと寝てます?」と確認したくらいです。
結果的に、彼女の成績はきちんと上がり始めました。それどころか、当初の志望校の2レベル上の得点を取るようになってしまい、周囲が驚く始末。僕も驚く笑。
勉強時間自体は確かに減ってしまいましたが、それ以上にマイナスが無いことが何より重要か分かる一例です。勉強の効果がきちんと発揮されれば伸びないはずがないのです。
ちなみに後日談ですが、「2時まで勉強している」と豪語していたお友達は突っ込んだ結果「11時から始めている」と白状したそうです。まあそんなもんですよ。
夜中の勉強がなぜダメなのか
睡眠不足が我々の心身にどんな悪影響を及ぼすかはググればいくらでも出てきます。
受検生のみなさんはそんなものを調べている暇は無いので、シンプルに抽出しましょう。
酩酊状態と同じ
睡眠不足の状態は「酩酊状態と同じ」と言われています。
お酒を飲んだことがない(はず)の中学生には酩酊と言われても分からないと思いますので、酔っ払って気分良くなってテンション爆上げの人たちをイメージしてくれれば良いと思います。ちなみに酔いつぶれているのは泥酔と言います。
その状態で勉強をして成果が出るはずがないのは言うまでもありません。
ちなみにどういう状態になるかをもっと具体的に挙げます。
記憶力が酔っ払い並に落ちます。
世の中の酔っ払いさんが「やべー昨日の記憶が無いわ」なんて言っているのを目にしたことがあるかもしれません。僕も人生で1回だけ2時間記憶が欠落していたことがあります。あー怖い。
勉強の大半は記憶がカギになるわけですから、いかに勉強したものがムダになっているかわかるでしょう。
判断力も酔っ払い並に落ちます。
普段はやらないような突飛な行動、例えば川に飛び込んでみたりして大ごとになるニュースを見たことがあるかもしれません。その状態で正しい解法を選んで解いていかれるとは思えません。
そして、思考力も酔っ払い並に落ちます。
もはやこの状態で入試問題に取り組むなんて、入試をナメてるとしか思えません。致命的じゃないですか。
自分の状態に気づかない
保護者の方が1ミリも信用してはいけないセリフ、それは
「夜中の方が集中できる」
僕らが職業柄今まで数百回と聞いてきて、本当にその通りだったことはただの1度も無かったセリフです。
なぜこのようなセリフが出てくるのか、これはまさに酔っ払ったときのことを考えればすぐに分かります。
酩酊状態のときはテンションが上がります。何となく何でも出来そうに感じます。この根拠のない全能感が原因です。
睡眠不足が蓄積してくると、「自分が睡眠不足になっていて心身ともにダメージを受けている」ということすら認知できなくなってくるそうです。
つまり本人の自覚しているものこそ一番信用出来ないということです。
むしろどうググっても全力で睡眠不足はダメだと指摘されているのに、それでも夜中まで勉強をしてしまうなんて、いかに正常な判断能力を失っているかを示しています。
こうなってしまうと本人では論理的な判断ができません。周囲の人間が気づいて助けてあげましょう。
まとめ
経験上、睡眠不足に陥るまで夜中に勉強している生徒は、昼間自堕落な生活をして全然勉強をしていないか、最初に取り上げた生徒のように根が真面目な場合のどちらかだと思っています。
真面目な子の場合は早い時間から勉強を始めて延々と夜中までやってしまいがち。皮肉なことに、やった内容のほとんどがムダになってしまい、勉強すればするほど結果が出ないという悪循環に陥ってしまいます。
勉強時間が短くなる恐怖を振りはらい、勇気を持って23時で切り上げましょう。
そうすれば努力が正しく結果に反映されるようになるでしょう。自由時間を削りに削って学校以外の時間をフル活用することに照準をしぼって下さい。
蛇足ですが、僕はこのブログを書くために前日6時間睡眠を取りました。
3時に寝て7時に起きる生活をずっと続けていますが、このところ集中して文章を書くのが難しくなっていました。
どうやら6時間睡眠でも睡眠不足という定義らしいのですが、僕にとっては効果てきめん。いつになくスラスラと筆が進んだというわけです。
7時起床はマストなので、さっさと日中に仕事を済ませて早く帰って入試の最終盤に備えます。ということで自戒を込めたブログをお届けしました。
この記事を書いた人
- 指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
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